under one umbrella

2005年04月08日(金) 耳打ち



「愛してる」という言葉ほど、
信用できない言葉はなかったの。





1ヶ月ほど前。
いつものメンバーで、あたしの家で飲んで。
そのうち父が帰ってきたので、
ファミレスに移動した。

何しろ酔っ払ってるので、
皆眠そうで、
結構低めのテンションのままうだうだとしていた。

竜崎君が、こそこそっと隣の藤原に耳打ちをして、
藤原が、
「そりゃありえんでしょう」
と笑った。
何を言ったのかすっごく気になるーと笑ったら、
寺島も同じように、
隣のあたしに耳打ちしてきた。
『愛してる』



またそんなこと言って、とあたしは流したけれど、
後で、すごく寂しくなった。

そのセリフを、寺島が本気で言うはずないから。
きっと嘘で。
でもそれはあたしが、嘘だとわかると寺島が知っているからこそ吐く嘘で。

だってもしあたしが本気でとったなら、
後でうるさくなる。
それは嫌だろうに、何で言ったのかってこと。

だからあたしは。そう解釈して。
その場は流して。1人で泣いた。
「愛してる」という大事なセリフが、当然のごとく嘘になる。
そんなの、寂しすぎる。

あたし、擦れすぎ?




一昨日の電話で。
あたしは、そのことを初めて寺島に話した。
あのときほろ酔いだった寺島は、覚えてなくて、
それも少し寂しかったけど、
寺島は言ってくれた。
「嘘では…ないんだけど」


本当に?と聞く勇気は、まだあたしにはなくて、
急いで軽く否定した。
照れ隠しに近かった。


昨日一緒に過ごしたとき、
聞いてみたら、
「愛してるかはわかんないけど、
今空から槍が降ってきたら、守るよ」
だって。
槍?






信じられる、ということは。
とても、幸せなこと。

もうあたしは。
あなたの隣で孤独を感じることは、ないのかもね。






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