久しぶりに、 マリコや桃子とメールした。
もうすぐ彼女らと約束しなくても会えて、 笑える日が来るんだと思うと、 素直に嬉しい。
2人ともメールにはたくさんのあたしへの愛を詰めてくれて、 久しぶりににやけっぱなしだ。 早く会いたいよ。
寺島に、 最近の日記は散文的になったと言われた。 やっぱりねとため息が出た。 昔は、書きたいことがたくさんあって、 ここに残したい言葉も文章もあった。 そしてそれに向かって書いていくのが方法だった。 その作業が好きだった。 ナルシストと思われるだろうけど、 あたしは、あたしが打ち出す文章が好きだから。
寺島に読まれるようになってから。 あたしは秘密が書けなくなった。 それまでの日記には書いてるわけだけど、 どうやらそれは読んでないらしい。 何せ量が多くもあるし。
寺島にそう言ったら、 あたしに秘密を書かせようと、 アドレスを無くしたと言い出した。 言い出したタイミングは悪くなくて、 あたしは疑いもせずに信じていた。
信じていたけれど、 やっぱり書かなかった。 長いこと書く対象から外れていたから、 頭の中で文章にすることもしなかった。 しようと思えば、出来たのだろうけど。
生憎エンピツには便利なアクセス解析があり。 どうにも寺島としか思えないホストを尋ねたら、 案の定、寺島。 寺島の悪巧みは失敗。 珍しく。
秘密なんて言い方は、大げさだし。 それで寺島が傷つくなんて、自意識過剰かもしれないし。 もっと信じていいのかもしれないけど。 あたしにはまだ、全てを曝す勇気はない。
日々感じていることを文にせずに逃すのは、 もったいないと思うけれど、 あたしの居場所はここしかないと感じるし、 それ以上に寺島が大事。
それに、思うことをそのまま書くと、 どうしてもあたしは悲劇のヒロイン気取りになって。 しかも言葉にしてしまったら、 自分でそれに酔ってしまうから。
書かなくなって、 その思考を自然としなくなって、 悲しいことがあっても立ち直りが早くなったことは、 よかったと思う。
ここに書かないこと、書けないことはあるけど、 嘘はついていないし、 寺島のほかに誰かいるとかそういうことでもないし、 可能な範囲で、 あたしの感情を表していきたいと思う。
可能な範囲を広げていく努力も、したいと思う。
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