何でだったかは忘れてしまったけど、 1人の男の人を思い出した。
中3の頃ちょこちょこしてた、チャットで出会った人。 相変わらず、ドリームキャストだったんだけれど。
詳しいことを書く気も起きないくらい、 今はどうでもいい人。
自信家で、自意識過剰で、 甘いセリフばっか並べて。
好きだとか、 お前の味噌汁を飲みたいとか。
優しいお前が好きだとか。 何を言っても、 諦めない、好き、の一点張り。
最初こそ信じてなかったし、うざかったけど、 何日も続けば、 中3でガキのあたしは、信じ始めてた。
毎朝届く彼からのメールを楽しみにするようになった頃。 彼や彼の友達を含めてチャットをしていて。 彼の友達だけにメッセージを送って、相談していた。
「あいつのこと、好きなんだろう?」
そのときのあたしは、彼を好きなことを認めたくなくて、 いろいろと考えていた。 返事をどうしようかと思っていると、 先に彼の友達から、メッセージが来た。
何それ? 聞いた途端、あたしにかかった魔法は消え去った。
それだけの話。 その1年後くらいに、またちょっとメールをして、 そこでまた告白されて、結婚を考えてるとか言われたけど、 信じられるわけなくて。
寺島を信じる気持ちは、いくらでも戻ってくるのに。 腹立たしいくらいに。
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