今日のことは、もう何日も前から意識してたけど、 そんな日に結婚式挙げるってすごいな。
あたしだったら、笑えない。 考えるたびに、仕事中なのに、ぞくりとした。 今も、する。
花嫁の、目立たなくしてあるけどやっぱりわかるお腹を見ながら、 どうして今日を選んだんだろうと思っていた。 予定、開いてなかったのかな。 今日のお客さんが何となく静かだったのは、意識してたんだろうか。 だって、何の曇りもなく、 何かを祝うことなんて、出来ないと思うのだ。
寺島が傍に居るとき、 藤原が傍に居るとき、 竜崎君が傍に居るとき。 あたしはふっと、 次の瞬間にこの人達がいなくなったら、と想像する。 それは気が遠くなるほどの、恐怖。 絶望。 君らがいない未来など、あたしは要らない。
今日という日だけじゃなく、 いろんな形で、大切な人を失った人が、 世界には数え切れないほど、いて。
その傷は、癒せない。
黙祷。
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