朝方の道を、 泣きながら帰ったかどうかは覚えていない。 悩まなかったことは、確かだ。
ケリをつけるのなんて簡単だ。 寺島にもってた希望を、全部捨ててしまえばいい。 期待も捨てればいい。 愛はたとえ捨てても戻ってくると知っていたから、放置した。 そのうち忘れるだろう。 これからの寺島の言動に、冷めてゆくだろう。
惹かれる人はたくさんいた。 竜崎君を始めとして、 バイト先の男の子の坂田君に、萩田さん。 沢松さんも、フレンドリーで素敵。 大学の近藤君だって、背が高くてかっこいいし、 有田君は、優しい。 ミーハーを発揮して、この人達にときめいてればいい。 そうすれば寂しくもない。 笑っていられる。
あたしは大丈夫。 もう、あなたの嫌いなことはしない。 けど笑う。 あなたとなら、 悦びだけのセックスも出来る。 これで完璧。だよね。
そして、 8月29日の日記に、つながる。
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