2004年07月14日(水) |
もどかしくて、消えてしまいたい。 |
寺島は今、5月病だ。
まったくの季節外れだが、それ以外の言葉は知らない。 寺島には時々、その「波」がやってくる。 そうしてその治癒法も、あたしは知らない。
何にもしたくないと言って、明日は試験なのに、 勉強道具を片づけてしまう音が聞こえた。 何を話せばいいだろうか、と悩むうちに沈黙だけが過ぎて、 あたしの携帯を持つ手が、汗ばむ。
自分が「やる気がない」ときに、 何をしてもらいたいかと考えてみる。 原因にもよると思った。 けど…いつも好きなことをしているあたしは、そんなことがない。
本を読みたい。 ネットがしたい。 大学へ行けば友達に会える。 講義を聞くのも嫌いじゃない。 寺島に会いたい。 市丸達にも会いたい。 それでも埋まらないときは、母といろいろ語ったり。 携帯を模様替えしてみたり。
その間に、生きていく上で必要なことが入ってきて。 そんな毎日をあたしは過ごしているものだから。 「やる気がない」ことを自分の中に再現できずに、 また沈黙だけを呼び寄せていた。
結局電話は、うやむやの中で切ってしまった。
支えたいのに方法がわからないなんて、何て愚かで。 無力で。あたしは。
涙が出たのは、 決して恋しさなんかじゃなくて。 たった1人の人をも癒せない自分が憎らしくて。 悔しかった。
あたしの「やる気」がなくなるのは、こういうとき。 だから、どうやったら寺島を癒せるだろうかと考えたとき、 相手を求めることしか思いつかない。 けれどあたしと寺島のそれはきっと違うし、 第一、あたしは求めていることを伝えるのが、下手だ。
もどかしさだけが残る。 気持ちだけあっても、やっぱりダメだね。 誰かあたしに方法を教えてくれたら。 きっとあたしは、何でもする。
笑顔が戻るなら、それでもかまわない。 無力なあたしに、あの人の傍にいる資格は、ない。
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