under one umbrella

2004年06月25日(金) 少しためらって


幸子の話を書きながら、思い出した。
あれはいつだったかな。
高校生のとき。
寺島とまだ付き合ってもなかったとき。


寺島と、帰り道に偶然会って。
分かれ道で、喋っていたとき。
寺島の高校の、同じ中学の男子達の話になった。
私のことを、嫌いな。


その人達は、中身もだろうけど、
私の外見を主に嫌ってる人達だった。
私もその人達の、外見で判断するところが嫌いだったし、
中学3年生のときにその中の1人が、
授業中漫画を読んでいるところを私に見つかって、
先生に告げ口されたことを根に持っているという、
くだらない性質も嫌いだった。


寺島は、どちらかというと、その人達と仲は良かった。
けど、私とも仲良くしてくれて。
いくら小学生のときからの知り合いだからって。
周りがああだったら。
同じようになってもおかしくないのに。


「寺島は、あの人達みたいにしないね?何で?」


それは、あの人達が嫌うように、
私は外見がよくないのに、という意味だった。


寺島は、少しためらって、


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私が今、寺島をはねつけられないのは、
こういった過去が作ってきた寺島への信頼だと思う。
数えてしまえば少ないけれど、
私の中に、深く残るものばかりで。
それこそ、私をそのまま受け入れてくれた人だから。



寺島のその言葉の後、何て答えたか覚えてない。
嬉しくて、泣きながら帰ったことは覚えてる。


もし言ってなかったら困るから、今ここで。
寺島、ありがとう。
あたしを救ってくれて。



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