前日の日記の会話は全て、チャット。 寺島とは、初めてのチャットだった。
あたしは、ビール片手だった。 寺島も、市丸も、竜崎君も、ビール好きになりかけていて。 あたしだけ飲めないなんて、嫌だったから。
そのせいかもしれない。 寺島に、感情ぶつけてしまったり。 話しちゃいけなかったこと、話してしまったり。
あの人の話題が、続いてた。 正直、しんどかった。 個人的に、あの人を嫌いじゃないから、余計に。
同じ高校生活を送ったうえでの、気持ち。 寺島に関しては、いろいろ複雑な思いがあるけれど。 それ以外は、面白いし、よく気がつくし、 顔もスタイルもいいし。
寺島に「嫌いでしょ?」って言われてそう答えたら、 「気持ちが再燃するようなこと言わないでくれる?」だって。 そう言われてあたしが辛いって、何でわかってくれないの?
あぁ本当に。 あたしは彼女に敵わない。 そう実感させられる。
だからね、我慢、できなかった。 これを言ったら、寺島は機嫌悪くなるって、わかってたけど。 お酒の勢いもあったんだろうけど。
憧れている人の存在を、話してしまった。 …それも名前も。 寺島がよく知ってる人だったから、絶対話さないようにと思ってた。
ごめんね、陽ちゃん。 今考えたら、ものすごく自己中だった。 あなたは、昔を忘れられないきつさを、あたしに話してただけだったのに。 勝手に嫉妬して、勝手にキレて、ごめんね。
あたしが、憧れる気持ちを聞いて欲しいのと一緒だったのに。
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