#1 #2 #3の続きです。
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『明日も試合だし…何にも、出来ないよ?』
それは、今日はセックスはなしという意味。 そんなことを求めてここまで来たわけじゃないのに。 1人で寺島の返事を待ってるわけじゃないのに。 あなたの中のあたしは、所詮その程度の女。
『…そんなこと言われるなんて心外よ。
あたしってそんなに淫乱なイメージあるかな。
帰る。でもいきなり来てごめん。
明日の試合も頑張ってね』
苛々した。 1人で帰っていることが、悔しかった。 歩きながら、市丸に電話をした。
「寺島出てこなかったの?」
「うん。明日もあるしって。
もーホントに、何であたし1人で帰ってんの?
寂しいよ」
冷水をかぶせられた気がした。 それはそうなんだけど。 あたし1人で来ているふりをしろと言ったのは君らじゃん。 ラッキーだろって言って先に帰ったのは君らじゃん。
でもあたしだって、適当な理由つけて帰ることは出来たはずだった。 寺島に会いたかったのは、確かにあたし。 ついてきたのも、あたし。
頭が回らなくて。苦しくて。 「…ごめん」と一言吐いて、 「何で謝」と言いかける市丸を無視して、電話を切った。
あたしのわがままだとわかっていた。 3人を責めることなんて出来なかった。 でも、涙は止められなかった。 独りだと、思わずにいられなかった。
市丸との電話を切ってから、2秒もしていなかったと思う。 寺島から、かかってきた。 涙を急いで拭いた。
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