under one umbrella

2003年08月05日(火) 愛と孤独は双子の兄弟なんだって。



寺島が家に来たっていうのに。
空しさだけが私に残った。
受験だし…しょうがないことなのかな。


プレ入試の帰り、って言ってやってきた。
部屋に入って、なかば強引に私にキスをして、
いつものことを求めてきた。
「それだけのために来たの?」
私はそれだけのために存在してるの?
「そんなことないけど…してほしい気持ちもあった」
そうして終った後はしばらく話をして、時間が来て、
いつものように急いで帰っていった。


求められるのが嫌なんじゃない。
それだけ、というのが嫌だった。
私には?なんてわけじゃない。
私が与えられるのはそれだけ、って感じがして…。


寺島を見送って一人で帰る道は、足が重たくて辛かった。
空しさがため息になって、涙も少し。
前はこんなことなかったのに。当たり前だけど。
気持ちを振り切るために、全速力で走って帰っていたものだった。
部屋にまだ漂っているだろう、あの人の残り香を逃さないように。


昨日はずっとそのことを考えていて、マイナス思考に陥っていた。
時間が経つにつれ、少しずつ冷静になっていったけれど、
別れた方がいいんじゃないかという方向に向かっていった。
書いた日記は暗かった。


それでも…寺島の身になってみれば、
毎日の勉強の息抜きをしたいのは当然だし、
長くいられないのは、今に始まったことじゃない。
受験という特殊な状況のせいなのかもしれない。
それが終ってからしかわからないこと…。
空しさが消えたわけじゃなかったけど、私のワガママなんだと思ったことで、
寺島をこれ以上責めずに済んだから、少しだけ元気になれた。
待っていよう。
寺島をずっと愛していたいから。


受験が終って…寺島の心が私をどう見るかわからないけれど、
もし寺島が別れを選んでも、今度はちゃんと受け入れてあげようと思う。
そう決めた。



5月に、あなたが体験した「空しさ」。
私が感じたものと同じだったかどうかはわからないけど…。
今のあなたが空しくないのならそれでいい。
快感に伴う孤独さを、私が埋めれているのならそれでいい。


「誰かを愛すれば愛するほど…人は孤独になるんだ」
渡辺篤郎のセリフが身にしみる、今の私。



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