一昨日だったか、寺島がいきなりやって来た。 「どうしたの?」って、心底驚いた声を出したら、 「いやぁ塾の帰りなんだけど、雨が降ってきたしたまには息抜きしないとだしねぇ」 なんてブツブツ言っている。 息抜きなら、大好きな本屋にでも行けばいいのに。 処理したいだけの言い訳にしか聞こえなかった私は、ひねくれている? まだ君の言葉に溺れることができない。
疑う気持ちなんて知りたくなかったんだ。 ボクはいつでも、100%キミを信じていたかった。 キミがくれる言葉をそっくりそのまま、 信じていられたあの頃に戻りたい。 キミが何かをしたわけじゃないのに。 ボクは勝手だよね。 だけどだからこそ、 キミがボクを好きだなんて信じられないんだ。
一昨日は地元の祭りだった。 去年一緒に行った祭り。 カップルで行くと別れる、っていうジンクスのある祭り。 その帰り道、 「嘘だって証明してやる」 って言ってくれたこと、覚えている?
一年後の一昨日、 「嘘じゃないね」って言ったら、 キミはちょっと笑って、ボクの手を握った。
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