under one umbrella

2003年06月19日(木) 「愛していなきゃ」




あたしは何度か、あの人との体の関係をほのめかすようなことを書いたけれど、
本当は、まだ最後まではやってない。
あたしは今でも堂々と、バージンロードを歩ける。


「高校生だから」それがあたしの理由だった。
妊娠したら困る。少しでも可能性があるなら、避けたい。
妊娠を、「嬉しい」と言えるときまで。出来るなら。

その理由を、彼はよく理解してくれてたし、妊娠したら困るというのは彼も同じなわけで、
1年間、ギリギリのラインを保ってくれた。

卒業したら…というのは、ずっと2人の頭にあったと思う。
それを言い出したのは彼だったけど、あたしも嬉しかったし、
「卒業したからって自立したわけじゃない」とかなんとか言うつもりもなかった。

愛し合っている以上、その欲求は止められないんだろう。お互いに。
ただ、今現在の自分たちは高校生で、親の力を借りて生きているから。
迷惑なんかかけられないし。
だけどそもそも、あたしは本当にこの人を愛しているのかな?
自分ではそう思っているけど、客観的に見たら違うのかもしれない。ただの欲求かも。
じゃあ「愛してる」ってどういうこと?
「高校生だから」という優等生的な理由じゃなくて、あたしのなかで、
それは最終的に辿り着くものだと思っていたからなのかもしれなかった。
「愛してる」と思えなきゃ、しちゃいけないんじゃないか、というような。


だけど、好きな人と手をつなぐことで、体温が溶け合うことで、安心できるのは否定できないことだろう。
あたし自身、手をつなぐのは好きだった。隣り合って歩くときだけじゃなく。
もしかしたら同じことなのかもしれない、と、今では思うようになった。

理想論かもしれないけれど、やっぱり、体と心はどっかでつながっているんだろう。
だから求め合うし、繋がっていれば安心なんだ。
「愛していなきゃ」とか、難しいこと考えなくてもいいのかもしれないね。
高校生だから、そこまで無責任なことはできないけれど。
でも高校生だって、何気に真剣に恋をする。少なくとも、子供じゃない。
好きな人とひとつになることぐらい。
許されているんじゃない?



「セックスは最終的に辿り着くものなのか、途中経過なのか」
そんなメールが、彼から来て。
あたしは、大体上に書いたようなことを書いた。
ふっきれてなかったら、きっと書けなかったと思うけれど。

書くのに時間がかかって、もしかしたら他のメールが来ているかもしれないと思って確認をした。


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返信してもいないのに、彼から来たのは初めてで。
内容よりも、そのことが嬉しかったし、可笑しかった。



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