2003年06月08日(日) |
2度目の「さよなら」 |
それは突然、訪れた。
まったく予想だにしなかった。 付き合って1年と2ヶ月弱の、5月の晴れた日。 前の日は雨。次の日も雨。 その日も雨だったら、逢えていなかった。 もし逢えていなかったら、別れなかったかもしれない。 そう考えると、それは運命だったかのように思えた。 どうしようもない逃避だけれど。
すぐはまだ、冷静だった。 恋人最後のメールを、その人に打ったりしていた。 日記も書けた。 涙は、少ししか出なかった。 本当に別れたのだということは、ちゃんと理解っていたつもりだった。 戻りたいなんて口にしてはいけないということも、理解っていた。 原因は自分なのだから。
理性が外れたのは、その後、友達と電話していたときだった。 友達が、あまりに信じられないと落ち込んだ。 あたしだって信じられないよ、と言ったとき、何かが切れ、 涙が落ちた。 そしてそれは止まらず、あたしをおかしくした。
「戻りたい」 理解ってる理解ってる。言ってはいけない。 けれどあたしには、あなたが必要で。 あなたのいない人生など考えられなくて。 同情でも何でもいいから。 すきなの。まだこんなにすきなの。 「やり直したい」 深夜、2通目のメールを送った。
当人と、逢った。 気づけば、別れてから4日が経っていた。 その頃のあたしには、時間の感覚すらなかった。 ただ戻りたかった。 逢って、ますます気持ちが強くなった。 メールではもうきっぱりと、「戻れない」と言われたのに、 諦めないことが美徳だと、あたしは信じきっていた。 まったく、ありえない。
当人にとっては、あたしは既に過去の人だった。 とりつく島も、ありはしなかった。 でもあたしは、諦めなかった。
要するに、処理機。
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