風太郎ワールド


2003年05月08日(木) アマゾンの失態

先日面白いペーパーバックを見つけた。シャーロック・ホームズの全作品がオリジナル体裁のまま収録されている。新聞発表時の挿絵も入っている。

驚いたのは、1000ページを越すこの分厚い洋書がたった840円で手に入ること。中学時代に夢中で読んだ謎解きを英語で読みたくなった。早速ウェブで注文した。いくつかある洋書販売サイトの中で今回はアマゾンを利用。

さて、一週間ほどして届いたペーパーバック。喜んで手にとってみると、何と背表紙にナイフで引っかいたような傷が縦に一本走っているではないか。上部2cmほどは、ほとんど表紙が裂けそうだ。

アメリカだと、これくらいの傷は珍しくない。書籍の外観に対する思い入れが日本人ほど強くないようだ。大学のブックストアに並ぶ本も角がへこんだり、ページが折れていたり。製本が悪くて今にもバラバラになりそうなのもある。あれこれ見比べてから買わないととんでもない商品をつかんでしまう。

それに比べて、日本では本を愛する人が多く、書店に並ぶ本はみんなきれいだ。製本も完璧。パラフィン紙を被せたり箱に入れたり、過剰かと思えるほど保護されている本もある。だから、棚からすっと抜いても問題のない本がほとんどだ。

アマゾンでは何十回も書籍やソフトを購入してきたが、いつもきれいな商品が届き満足していた。信頼して利用してきた。

なのに今回は、裏表紙に裂け目ができるほどの傷がついたペーパーバックが届いた。

多少の傷は仕方がないが、これは見逃せなかった。

さて、どうしたものか。返品すべきか。しかし、今すぐ読みたい。

とりあえず、カスタマーサポートにメールを送って事情を説明する。丁寧な返事がきて、交換商品を先に送るというのでホッとしていたら、すぐ次のメールで「この商品の発送には3〜5週間かかります‥‥」

3〜5週間?!おいおいそんなに待てるわけないだろう。注文してから1週間以上待ったんだぞ。海外から取り寄せなくてはならないのは分かるが、そう簡単に顧客に5週間待ってくださいで済ませていいのだろうか?

結局商品の交換を断った。自分でテープでも貼って修繕するよ。そんなに待てない。すぐ読む必要があるから買ったのに。

今まで、アマゾンは100%信頼してきたが、傷がついた商品を送るという初歩的な商品管理ミス、また、顧客を5週間も待たせてもあたり前というサポート体制。少なからず失望した。

今後は、書店で買える書籍はできるだけ手にとって確認してから買おう。

*    *    *


FreeMLという老舗の無料メーリングサービスがある。2週間ほど前からあるグループの連絡用に利用し始めた。

ところが、ゴールデンウィーク真っ盛りの5月4日、何故かメール配信が遅れ始めた。数時間も。

サポートにメールを出したが返事がない。遅延はその後もひどくなる。仕方なしに手動でメールを同報配信した。

ちょうどグループの集会を開いたばかりなので、メールでのやり取りがたくさんあるはずなのだが、一向にメーリングリストから配信がない。他のメンバーも何人か手動でメールを送り始めた。

翌日になると遅延はさらにひどくなり、24時間前の投稿メールが配信されない。こうなるともうメーリングリストの役割を果たしていない。それも、一番必要な時に利用できない。再度問い合わせメールをサポートに送ったが返事が来ない。

連休が明けた日の昼過ぎ、ようやくFreeMLのホームページに障害のお知らせが掲載された。ちょうど5月3日から5日まで配信遅延が生じていたと言う。午後になってサポートからホームページと同じ内容の形式的な返事メールが届いた。

どうやら、連休中は誰も障害対応にあたっていなくて、連休明けに職場に来てから障害に気がついたようだ。のん気なものだ。

所詮無料のメーリングリスト。この程度のサービスでも文句は言えないのかもしれない。しかし、一番必要な時に利用できず、手動でメールを送らなければならないようでは、利用価値は低い。のんびりとおしゃべりする趣味のMLならいいが、とても仕事や重要な連絡には使えない。

さて、どうしたものか。InfoseekやYahoo!のe-Groupsにでも移行するか。他も同じような程度なのか。

かつては日本社会の



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が、今は到る所で失われていると実感するこの頃だ。


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