メモ書き。

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2006年07月01日(土)  夏と花火と 

花火大会の季節が近づいてきました。
花火って、刹那的な気持ちになりますよね。線香花火でも、打ち上げ花火でも、そのはかなさみたいなものは変わらないと思う。

とある夏の夜、仁王に呼び出されて柳生は待ち合わせ場所へ。
行くと仁王はコンビニで買った花火がいっぱい入った袋を下げていて、にっ、て笑って、「海へ行こう」って言う。
柳生はちょっとびっくりするんだけど、仁王くんらしいな、って思って、いいですよって言ってついていく。
歩いていけるすぐそばに砂浜があって、二人は連れだって浜へ降りる。
ざあ、ざあ。寄せて返す波の音、潮の香り。
砂浜沿いに道路が通っているので浜は真っ暗ではなくて、街灯の明かりが波に反射してちらちらしている。

そこで二人は、花火をして遊ぶんだよ。
手に持ってぐるぐる回したり、砂の上をしゅるしゅる走り回るのから逃げたり、ドラゴンの火花に照らされるお互いの顔を見合ったりしながら、時々あははって笑い合ったりしながら。

柳生はぼんやり考えるんだ。
こうやって遊べるのもきっとこの夏が最後なんだろうなって、なんとなくそう考えるんだ。
最後の夏。最後の花火。

不自然なくらいに、はしゃいでみせる。きづかなかったふりをして。

仁王が波打ち際にロケット花火を、海に向かって等間隔に並べて刺して、順番に火を付けて、しゅっ、しゅっ、って花火が飛び出していく。
二人でそれを眺めて、高く上がれ、って念じて、同じ方向を向いて黙って花火を見送る。

全部の花火が飛んでいってしまって、浜がすうっと静かになって、言葉もとぎれたとき、柳生が言うんだ。

「みんなも呼びませんか。花火、今度は僕が買います」

仁王は、柳生がそんなこと言うのでちょっとびっくりするけど、うん、ええよ、って言って、ズボンのポケットから携帯とりだして、電話かけはじめるよ。最初はたぶんブン太。
ああ、ブン太? いま、柳生と花火しとるんじゃけど、お前も来ん?

柳生も携帯で柳に電話するよ。
あ、柳くん。いま、仁王くんと浜で花火をしているんですけど、柳くんも来ませんか?

二人でみんなに電話して、ぱかんって携帯をしまって、もう一度海を眺める。遠い燈台の光、漁船の明かり。

さあ、みんなが来るまでに、花火をたくさん買ってこよう。

そんな、最後の夏。
誰もこれが最後だって言わないけど、わかってる。そんな夏。


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このあいだ書いた、ら●ふぇあーの「降/り/そ/う/な/幾/億/の/星/の/夜」のPVがありました。
どこに、とは、ここでは言えないんですけど…(悶々)




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