どしゃどしゃ雨の降る中、昨日・今日と、全国から人の集まる勉強会があった。と言っても人数的にはそれほど多くはない。毎年この時期に開かれているもので、ウチのボスが主宰者なので私ら下っ端は雑用に大わらわだ。 その参加者の中に、釧路から来た若い男性がいた。釧路に赴任したのも今年に入ってからで、ときどき出張でウチの職場にも顔を見せる人だ。見るからに真面目そうでしかもなかなか好青年、雛には稀なるいいオトコよのう、と来るたび遠くから愛でていたんだが(やめれ)、話をしたことは、あいさつ程度しかなかった。 今日の勉強会が終わって会場を片づけているとき、その好青年くんが私に声をかけてきた。 「ぼくのこと覚えてますか?」 はああ? 「以前一度お会いしてるんですけども」 コロロロ……と音をたてながら脳味噌をものすごい勢いで検索。北条焦る。記憶にヒットしない。こんな好青年くん、一度会ったら覚えてないはずないと思うんだけど。そ、それとも定番のナンパか? 物好きにもほどがあるぞ…。 「四年前、○大で試験があったときです」 ……おお! 思い起こせば四年前、北条はとある試験を受けたことがあった。その会場が○大で、そういえば、後ろの席に座っていた男性が、実は東京から来ていて○大を観光して帰りたいと言ったので、ちょっとだけ案内したことがあったのだ。 なんだか冴えなかったあのときの彼が、こんな好青年くんになって、北海道に戻ってきたのか。 「本当に偶然なんですけどね。あのときはお世話になりました」 相手はすぐに私だとわかったらしい。私はちっとも覚えていなかった。なんてこった。私の目は節穴だった。くそう(何を悔しがってるんだか)。 彼の方が立場は上のはずなのに、非常に折り目正しくて、こっちの方が恐縮してしまった。
彼が去っていってから、だんだん四年前の記憶がよみがえってきた。別れ際、記念に○大グッズを買うと言って○大生協に消えていったことも思い出したけど、このことは言わない方がいいのかなあ……。
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