NORI-☆
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10年後のアイドル
再びビジネスセミナーでの話。 今回のセミナーは、担当営業がお客様に同行して アテンドするケースが多かった。 受付の来場者リストには、お客様の名前と併記して、 担当営業マンの名前も書いてある。 で、知っている営業マンの名前があるかな、 同期の子とか来ないかなぁ…なんて思いながら、 パラパラと名簿をめくっていたときのことである。 (!!……この名前!…) そう、そこに見つけてときめいたのは、 かつての恋人の名……というのはウソで、 実は10年近く前、広報時代に知った営業さんの名前だった。 まだ駆け出しの広報マンだった私は、ある日 とあるメジャーな雑誌社の記者からの取材依頼を受けた。 媒体は若手ビジネスマン向けの月刊ファッション誌。 そこで毎号連載で「ミスターMYカンパニー」みたいな、 要するに、わりと有名な企業に勤める若手社員で、 仕事もできてカッコよくて人気者で…という青年を、 その仕事ぶりからプライベートまで紹介する、 というような企画の取材依頼だったのだ。 で、そういうまああんまりビジネス戦略に関わらない、 いわば遊びみたいな取材依頼のときは、 だいたい私が担当することになっていて(^^;)、 「じゃSさん、カッコイイ若手をみつくろってきてよ」 という軽い上司のひとフリで、取材協力が決定した。 それっておいしい仕事じゃん? と思うでしょう? ところがさにあらず! そんなカッコイイ人なんてゴロゴロ転がっているわけもないし、 やはり会社の代表として取材を受けてもらうとなると、 ルックスだけじゃなくて仕事ぶりも上司受けもよく、 しかも上手いこと会社をPRしてくれるようなトークも してもらわなくてはいけない。 #だから、実はその手のコーナーに、ほんとに美形な人は #なかなか出てこなかったりするのだ(^^;) #たいていは「ああ、いい人そう」「気さくで感じいいかも」 #という程度にとどまることが多い。 #これが会社のフィルターを通るということなのである。 しかし、だからといって、私が選んだ、ということになれば、 やはりそこそこなルックスの人を持ってこなければ、 趣味を疑われてしまう。 広報の使命と個人の趣味の間でしばし揺れる私だったが、 もとより心当たりがないので、とるべき道は一つしかない。 まずはどこの事業部からもってくるか、の選定。 うちの会社は業務内容が幅広いので、 社名から想像できる範囲でわかりやすく、 かつカッコよさげに見える仕事をしているところ。 …決定! 次はその事業部の総務にいる親しい同期(男性)に電話。 「…ていう依頼なんだけど、そういう人いないかな?」 「そうだなぁ…ちょっと当たってみるよ」 そこで彼がピックアップしてくれた営業マンが、 くだんの名前の彼なのである。 仕事もできる、扱っている内容も華やかでわかりやすい、 体育会テニス部出身でスポーツマン、長身。 気さくで優しく、女子社員にも人気がある。 …で、気になるルックスは?? 「俺はすごいカッコイイと思うよ。男として憧れるよ」 よし、それで決まりだ! ところが!! こういう予備取材を経て正式に書類を回して 取材対応依頼をしてみると、意外な落とし穴が〜〜(TT) なんと本人が嫌だというのだ! 理由は「恥ずかしいから」。 くわ〜〜残念! でも、確かにそういう人選だと言われて ホイホイ出てくる男って、個人的には嫌かも(^^;) というわけで、このカッコよくて奥ゆかしい営業さんは、 私にとって「まだ見ぬ憧れの君」となったのだった。 その彼の名前がここに書いてある。 情報によれば、どうやらお客さんに同行して 今日セミナーに顔を出すらしい。 ドキドキドキ……… そして、10年の歳月を経て私の前に現れた 幻の「ミスターMYカンパニー」は 想像以上に素敵なキャラクターだった。 30代後半になって、やや貫禄のついた体型になったものの、 スポーツマンらしい長身にスーツが映える。 さらっと爽やかな印象で、身のこなしも軽い。 柔和な笑顔をたたえた接客態度も素敵で、 うーん、これはなかなか… お互い独身時代に出会えなくて残念だわ… いや、同期のNくん、君は実に目が高い!! というわけで、 憧れの君は、私の幻想を裏切ることなく 爽やかな風を残して去っていった。 もし今度、「わが社の課長自慢」なんていう企画がきたら、 ぜひとも再度出演交渉するんだわっ! と心に決めた私。 …あ、そっか。 私って、もう広報マンじゃないんだった(^^;)
2001年04月26日(木)
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