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朝食前に男湯で一風呂浴びて、8時から朝食。ご飯ん、お味噌汁、生卵、のり、地元でつくっているという納豆、しゃけ、山菜、いぶり大根(たくあんの燻製のような感じ)きわめて日本的。おいしくいただく。 ぽかぽかとうららかな昨日と打って変わって寒い。今日は雪の予報。本当は今日もこの辺を観光するつもりだったのだが、昨日すべて終わってしまったので、今日は喜多方に行くことにする。朝食後、宿の近くを30分ほど散歩する。川原に下りると露天風呂があるといわれたが、いってみると冬なのでお湯は抜いてあった。このあたりは瓦葺にも象徴されるように「結い」という地元の結束が固く、昔はみんなで作業してその後みんなで露天風呂に入って汗を流したらしい。今は混浴がうるさく言われたので廃れたという。ということは当時は混浴だったのだな。おおらかな話だ。集落のあちこちに足湯があり、みんな自宅でも温泉を引いているそうだ。集落をぐるりと回ると、墓石名も表札もみんな苗字が同じ。住民の7割が同じ苗字なので、商売をやっていない家でも屋号で呼びあうという。 駅まで送ってもらい会津若松行きの電車に乗る頃には雪がちらついてきた。喜多方で観光するなら、電車ではなくバスで行ったほうがいいとアドバイスを受ける。駅が町の中心部から離れているのは古い城下町にありがちである。 バスターミナルで待っていると、喜多方のラーメンまっぷを持った母娘連れが同じバスに乗り込んできた。車中でも熱心に地図を眺めている。こちらは急に行くことになったので、ガイドはおろか町の様子も知らない。インターを抜けてだんだん町に近づいてきた。車窓から見える風景に「喜多方ラーメン」というのぼりや、よくテレビで見る蔵が見えてきたので適当に降りることにする。あてずっぽうで降りたら、母娘もつられたのか一緒に降り、降りたところで呆然としていた。 とりあえず今きた道を戻り、土産物屋さんに入って地図をもらい、お茶を飲ませてもらい、乾物を買う。レジのお姉さんに、お勧めというかお姉さんが好きなラーメン屋さんを教えてもらって、そこにいくことにする。改めて地図を見るとこの辺も小規模ながら蔵の密集地らしい。傘を差して裏道をぶらぶら歩く。それにしても帽子を取り返してきてよかった。寒い。 教えてもらったラーメン屋さんは、ちょうどお昼のピークがすんだあたりですぐに座ることができた。夫はチャーシュー麺、私は普通のラーメンを頼んだが普通でもチャーシューたっぷり。あっさりしていて大変おいしかった。身体も温まったので駅に向かって歩いていくことにする。蔵以外にも明治時代のレンガ建てや造り酒屋の古い作業場などがあり、写真を取りまくる。コーヒーでも飲もうかと思っていたのだが、途中で見つけた風情ある造り酒屋に入ると、見学ツアーをやっているというので参加することにする。試飲は見学してからというルールらしい。プロのナレーター張りの美声の女性が、江戸、明治、大正、昭和とそれぞれの蔵とその特徴、商品を紹介してくれる。2種類ほど試飲したが、お酒のビンは重いので、新酒の酒かす(板おみき)を買う。ほろ酔い気分でまたぶらぶらと建物を見ながら歩く。 駅に着くと思いのほか会津若松行きの電車の本数が少なく、1時間以上待ち時間ができてしまった。日曜の夕方なので新幹線も込むだろうから、窓口で接続する郡山からの指定席も買う。夫はもう一軒ラーメン屋さんに行きたいといっていたので、駅前で食べることにする。「老麺会」というのぼりが出ている店が目に付くのだが、それはなにかお墨付きがあるようらしいので、その店に入る。入った店は昔は中華料理屋さんだったらしく、餃子や春巻きなどの副菜も充実していた。私は白髪ねぎがたっぷりかかったねぎラーメンを食べる。拍子木に切ったチャーシューが入っているのだが、味わいが深くとろけそうにおいしかった。 まだ時間があるので駅前の風情のある喫茶店に入る。入ってすぐ「タバコとコーヒーは仲良し」という言葉を思い出す。最近はスタバとかタリーズとか禁煙もしくは喫煙コーナーが分離しているところしかいっていなかったのですっかり忘れていた。スポーツ新聞を読みながら大しておいしくないコーヒーを飲む。乗客はみんな会津若松行きの電車待ちの人たちらしく、出発時刻が近づくといっぺんに空席になった。 会津若松に着いたときには、すでに郡山行きの電車はホームに入っていたので、がんばって走ってなんとか2人分の席を確保する。その後も人はどんどん乗ってきて、発車してからも猪苗代あたりからスキー客が乗ってきてぎゅうぎゅう詰めだった。18時過ぎの新幹線に乗り、大宮に19時前に到着。そこから接続よく湘南新宿ラインに乗り換え、20時に帰宅した。乗り換え回数は多かったが意外と近い旅行だった。
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