WELLA
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2006年02月24日(金) にわか評論家

朝おきて一番にテレビをつける。荒川さんがもみくちゃになっていた。メダルを取るとは思っていたが、SPの結果から順当に3位かと思っていたので、金メダルに興奮する。それからは各局チャンネルを変えて、演技の様子を見るが、すばらしいなぜか自然と涙が出てくる。静かな自信に満ち溢れた充実した演技だと思う。彼女自身が、自分の身体を完全にコントロールして充実した滑りを楽しんでいるのが伝わってくる。
「トゥーランドット」選曲もうまかったと思う。地元イタリアの作曲家だし、中国の氷の心を持ったお姫様の話だし、荒川さんのクールビューティー&アジアンビューティーにぴったりだ。クラシックに詳しくない観衆でも、パバロッティが開会式で感動的な独唱をしたのを覚えている人も多かっただろう。彼女のすっきりとした美貌とさわやかな衣装もよくあっていたし、すべてにおいてうまくまわっていた。
村主選手が"Passion"を表現するのに用いたラフマニノフのピアノ協奏曲は、有名だが選曲としては失敗だと思う。男子の高橋選手のときもそうだったが、いくら情熱的であってもあれだけ壮大な曲を4分〜4分半に縮めるのは無理がある。聞き覚えのあるメロディが安っぽくぶつぶつと切られて接ぎ合わされているのでは全体の流れも出にくいのではと思う。私はこの曲が無条件に好きなので、メロディに乗りかけたと思うと、ぷっつりモチーフが切り替わる繰り返しが気になってしまう。流れがが気になってしまう。荒川選手のようにモチーフをうまく取り出してきちんとアレンジした曲を使うか、はじめから演技時間にあった曲を選ぶべきではないか。
村主選手の衣装も小柄な彼女をもっと小さく見せる地味さで、可憐だけれどアピールに欠ける。切ない表情は日本人にはぐっと来るが、外国の審査員には受けないのだろう。個人的には彼女は演歌歌手に向いているとおもう。なぜか藤あや子を思い出す。ミスもほとんどなく(回転が少なかった?)、SPでのスピード不足も改善されて流れもあったのに、意外に得点が伸びなかったのは惜しまれる。
それにしても日本のチームは、衣装・音楽・振り付けを含めたプロジェクトで総合的にプロデュースするということがないのだろうか。アメリカやロシアあたりは絶対そうしているだろう。選手の素材だけに頼ったり、金に飽かしてスケートの門外漢の有名デザイナーに衣装を頼んだりしていないで、どう見せるかということをもっと研究すれば恒常的にメダルが取れるような時代が来ると思う。
にわかスケートファンとしては4年後が楽しみ。


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