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2005年03月05日(土) 「バカじゃない。」

我が家では、相手が自分より合理的または賢いことを言うと、「あんた、頭いいねぇ」と言い合う。それよりも感じ入ると「あんた、バカじゃないねっ!」になる。ちなみに「賢い」という言葉は自分でも思いつきそうな小さなソリューションに対して使う。つまり、感嘆の度合いが大きい順に並べると下記のようになる。

「あんた!バカじゃないねっ!」>「あんた、頭いいねぇ」>「賢い」

「バカじゃない」といわれたほうが、「頭いい」といわれるよりうれしい感じがするのは、「頭いい」とか「賢い」とかいう言葉には多分にお世辞が含まれていると思って、その分を割り引いて感じてしまうからだろう。あるいは下の子として生まれて、さんざ兄や年長の人々にからかわれて育ったせいか(真に受けたらアカンよ〜という自制が働く)。
夫は自分の学生さんとミーティングしていたときに、いいアイディアを出した学生さんに思わず「あんた、頭いいねぇ」といってしまい、大いに驚かれたそうだ。普段の夫はそういうキャラではないので、いきなりそういわれた学生さんには大いに同情するものである。

ところで夜「世界一受けたい授業」という番組をちらりと見た。
司会者はミスターかくし芸とうんちく王。どうも数学の授業をやっているようで、教師役が秋山仁、回答者に福澤アナ、菊川某、乙武某、その他久本他お笑いの面々。すべての幅が等しい図形ということで円形が紹介され、マンホールの蓋が円形である利点(外れて落ちることがない)が説明される。このようにすべての幅が等しい図形は定幅図形といわれ、ルーローの三角形が有名であるという話になる。ルーローの三角形以外にも、五角形、七角形というように定幅図形の多角形(角は常に奇数)には種類があるのだが、さてここからが話の本題。
ルーローの三角形の中心部分に回転軸をつけてドリルとして穴をあけた場合、どのような形にえぐられていくだろうか?この問いに対して、回答者の多くは「円」と答える。福澤アナと乙武某はちょっとひねくれて四角形と答えるが、あとのやりとりからすると特に根拠はなかった模様。果たして答えは四角形であることが明かされる(多角形といっても角は丸く落とした形)。では次に定幅の五角形ではどのような形の穴が空くだろうか?えーそんなの思いつかないという雰囲気に満ち始めた中、菊川某がひゃら〜っと手を上げながら「ろっかっけー」と答えた。「え、だって、さっきさんかくのとき一つ多いしかくだったから…。」一同大いに納得して「じゃあ六角形で!」と答えると見事正解。ルーローの多角形をドリルとして穴をあけた場合、常にドリルの角の数より1つ多い多角形の穴ができると解説される。
この瞬間私は心の中で、「あんた、バカじゃないねっ!」と叫んでいた。もちろん菊川某が頭がいいのは前提だし、この人は確か建築を専攻していたので幾何に強くて当たり前なのかもしれないが、会場がへーっとかわかんないーとか浮き足立っている間に、法則を見つけだそうとしてぐるぐる考えていたのだなと思うと、その習性というか菊川某の頭の良さの由縁みたいなところに触れた気がして、なんかすごく好感をもっちゃったのである。菊川某、奥が深いぜ。

参考サイト:
世界一受けたい授業(2時限目)http://www.ntv.co.jp/sekaju/student/20050305.html
ルーローの三角形(java 要常時接続)
http://www.shirakami.or.jp/~eichan/java/javajj/rouleau.html


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