WELLA DiaryINDEX|past|will
どこに行っても、なんとなくその場にいつの間にかなじんでしまい、主のような顔をして歩き回り、そしていつの間にか誰よりもそこから遠いところに行ってしまう癖がある。とりあえず自分の居場所が欲しいのだろうか、などとセンチメンタルなことも考えるが、今の生活もいつか遠いところに行ってしまうかもしれないと思いつつ、目新しいところをきょろきょろとする。 非常勤先Bへ。授業のあと専任の人に誘われてイタリアンレストランへ。二人だけで食事をするのは初めてだ。いつもの通勤路とは反対方向にある穴場的な店で、珍しげにきょろきょろしてしまう。ちょっと奮発してコース。パスタに前菜、サラダ、ガーリックトースト、デザート、コーヒー。もう満腹。学校に戻って図書館やPCルームで少し時間をつぶすがあまりにおなか一杯なので、あまりはかどらず。このままだらだらするよりもいっそ電車の中で寝ようと、帰ることにする。義父がこの間手術して、快気祝いということで、夜は夫の両親と4人で会食の約束がある。 いったん講師控え室に戻ると、よくバスで一緒になる他の非常勤講師の人が一本バスを逃したとかで一緒に出ることに。女性3人姦しく学校を後にする。非常勤というと講師控え室で黙々と過ごし、教室に向かい、また戻ってきて黙々と帰り支度をして帰るのが普通だが、こんな風に誘い合わせて帰れるのはうれしい。先週はこのメンバーでケーキを食べて帰ったし。眠気もさっぱりして、四方山話をしながら帰る。うち一人は中国語の先生でだんなさんはあちらの人である。今夜夫の両親と会食があるという話をすると、「私、いつもたくさん食べて、夫の両親に嫌がられるんです(笑)」という。外国語を話しながらたくさん食べるなんてすごいですねというと、「違うんです、日本語なんです。夫の両親は戦争中日本の占領下で育ったので日本語がぺらぺらなんです」といった。ここにも戦争の影がある。 会食は夫の実家の近くの中華料理店。店を選んだのは私たちだったが、ここは戦前からある中華料理の草分け的存在の店の分家筋らしく、義父は○○町にあった店と同じかどうか店員に尋ねていた。義父にとってはその当時おいしいと思った懐かしい味だったようで、喜んで食べていた。その後、夜景がきれいなビルの喫茶にいってコーヒー。目の下にどっしりと暗い皇居の森が見える。義父は皇居のことを「きゅうじょう(宮城)」という。昔の人らしくてなんとなくいいな、とその響きを好もしく思う。
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