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午前中、夫と竹橋の国立近代美術館へ。 ここは閑散としているイメージしかなかったのだが、独立行政法人化して広報に力をいれるようになったのか、予想外に人出がある。丸の内の巡回バスも土日はここもルートに入っているので、それを利用している人も結構いる。今までこんな人数を捌いたことがなかったのか、会場内は無駄に混雑していた。動線が悪いのか? 展示自体は数も多くて面白かった。光琳の重要文化財「風神雷神図屏風」をはじめ加山又造「千羽鶴」など、琳派的な絵画もすばらしかったが、本阿弥光悦筆・俵屋宗達下絵重要文化財「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は、圧巻だった。「琳派」について今まであまり考えることがなかったが、こうして展覧会を見てみると、琳派というのは、図案的、規則的、連続的、金色、が特徴なのだろうか。日本画に限らず琳派的と考えられる、またあきらかに琳派に影響を受けたとされる西洋のもの(クリムト・ウォーホルなど)や、現代作家の作品も展示されている。「琳派って、屏風にしたててあれば全部琳派かしらね」というささやくご婦人も。しかり。 ところで、すべての作品にではないが、脇に解説のプレートがついている。それを読むと主観的でナイーブな解説かつ無意味なカタカナ語の多用である。「ファッショナブルなセンス」とか「グラフィックな下絵」とか「斬新なデザイン感覚」とか、タウン誌のPR記事じゃあるまいし、こちらが気恥ずかしくなる安易な言い回しで、読んでがっかりだった。 出口のところで、今回の展覧会用の臨時ミュージアムショップが大賑わい。絵葉書、ハンカチ、クリアファイル、めがねクリーナー、お菓子、なんでもこいという感じである。本阿弥光悦筆・伝俵屋宗達下絵「四季草花下絵新古今集和歌色紙帖」絵葉書セット購入。別棟にある常設のミュージアムショップに寄って絵葉書を見ると、郵便番号5桁のものをまだ売っていて、いままでいかにこの美術館に人がこなかったが知れよう。 お昼ごはんは神保町近くまで出て、B級グルメのてんぷら定食。カウンターだけの店で、次々と客を通してイカ・えび・春菊・いもなどのてんぷら盛り合わせと味噌汁ご飯を供していく。煮えたぎる大なべの中では、何がどう揚がっているのか、大きな天かすが一面に浮いている。てんぷら屋の主人は軽口をたたきながら、タネを衣につけてはじゃんじゃん大なべに放り込む。このてんぷらの衣がまたすごい。てんぷらの衣はだまにならないように云々、などという定説はどこ吹く風である。コンロ脇の衣が入ったボウルは、だまだらけ、一部粉のままという状態。衣が足りなくなると、どさっとおわんで粉を入れ、卵を割りいれ、水を適当い足して、ぐるぐるかき回して、つぎつぎと種を浸していく。これだけなべの中が混んでいると、てんぷら同士がくっついてしまうので、ときどきそれを箸で叩き割って皿に盛り付ける。そんな風に作っていても、揚げたてはおいしい。どちらかというと家庭の味である。それで一人前600円なり。 午後、仕事仲間と会う。 夜、今期初仕事。
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