WELLA
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2003年11月06日(木) しゅわしゅわ〜っ。

フランス語教室の後、今日も業界展へ。
今日は最終日で撤収作業もある。来場者もかなり減ってきて、周囲を見回す余裕も出てきた。せっかくの機会なので他のブースを回ったりもする。相変わらず目新しいものはあまりない業界なのだが、去年に比べて自分の興味(必要とするものが)が若干変わっているので、また違う面がある。
我々のブースではいくつかの展示と、プロジェクトが開発したある装置のデモンストレーションを行っている。デモの時間が近づくと、ブースでチラシを配ったり、集まってきた客にデモへ誘導したりする。ふと見ると他の説明員の様子が目に留まった。大きな声で誰かと向き合って話している。「デモを是非見てください」という彼に、相手は聞こえないという身振りをしながら搾り出すような声で「き・こ・え・な・い。ダメ」と言った。そういえば補聴器をあてている。「見るだけでいいですから」となおも見学を勧める彼の脇から、手話で「こんにちわ。私が手話で通訳しますから大丈夫です」と言った。当然相手もびっくりしていたが、そうしながら私も「あら〜私ってば手話ができたんだ、そういえば」と思っていた。
手話を勉強したのは結婚前後の3年間で、週一ペースでかなりきちんと講習会に通ったのだが、まともに手話を使うのは何年ぶりかである。出てこない表現やずいぶん怪しい表現もあるが、案外覚えているものである。すっかり記憶にないような表現がすっと出てきたりして自分でも驚く。デモは昨日も何回か聞いていたので、実際はデモの進度に合わせて自分なりに意訳して伝えているのだが、端から見ると同時通訳しているように見えただろう。これが昨日だったらかなり苦しいところだった。時々表現を直してもらいながら、デモの通訳と展示の説明をして、おかげさまでとても喜んでもらえた。
メンバーは私が手話をすることは知らないのでかなり驚かれ、どうして手話を習得ししようと思ったのかなどと聞かれたのだが、正直なところ「やってみたかったから」とか「手話がわかる人達がうらやましかったから」とか、あまりたいした理由ではなく、今ひとつ納得してもらえない。そういえば偶然今日、フランス語教室のクラスメートに「どうしてフランス語を?」と聞かれたのだが、その答えもまったく手話の場合と同じものだった。ただの興味本位なのである。
そんなこんなしているうちに業界展も終わりになり、撤収作業に入る。撤収作業は予想より少し手間取り、撤収して差し入れを食べて解散が10時ぐらい。身も心も気の抜けたサイダーである。


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