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2003年08月07日(木) 「むしゃくしゃ」は理由になるか。

最近「むしゃくしゃしたから」という理由で、通りがかった人を刺したり、器物を損壊したり、という刹那的な犯行が後を絶たない。犯人が捕まると「むしゃくしゃして」と新聞の見出しにも書いてある。そもそも「むしゃくしゃ」とは何ぞ?と思ってgooの国語辞典で調べてみると、以下のようにある。

むしゃくしゃ 1

(副)スル
(1)腹立たしくて心が晴れないさま。「仕事がうまくいかなくて、―(と)する」
(2)髪などがもつれ乱れているさま。もじゃもじゃ。「―した髪」「髯(ひげ)―の口を開いて/社会百面相(魯庵)」

三省堂提供「大辞林 第二版」より

ちなみに[ むしゃくしゃ ]の検索結果 87件 ( 19ホスト ) 2003年08月09日 0時42分現在 である。このままでは「むしゃくしゃ」は今年の流行語大賞にノミネートされてしまうかもしれない。
それはさておき、この手の事件のやりきれないところは、誰も救われないところにある。いわれなき犯行の被害者はもちろん、加害者も「むしゃくしゃ」した気分が晴れるどころかより深い闇へと落ちていくだけである。そして加害者が検挙されたところで、氷山のごくごく一角が取り除かれただけで、何も解決されていない。通り魔的犯行に理路整然とした原因などはないので、とりあえず「むしゃくしゃ」が理由ならば「理由になっていない理由」がついたような形になってなんとなく通ってしまうが、その「むしゃくしゃ」の影にいかに多くの要因が複雑に絡まりあっていることか。彼らは数年後にはむしゃくしゃした気持ちを抱えたまま、何も改善されずに再び社会に舞い戻ってくるだろう。彼らをとりまく社会が悪いのか。そして社会の一構成員である我々には何もすべがないのか。


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