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連休中日、今日も絶好のお出かけ具合。他県の県庁所在地にある美術館に遠征。 仲良くしてもらっている方々に美術好きの人がいるクセに、自分ではなかなか出かけようとしないので、今回もご多分に漏れず「牛に曳かれて美術館参り」状態。 午後2時から始まるギャラリートークに間に合うように家を出たつもりが最悪ルートを選んでしまったようで遅刻。ここに引っ越して1年になるがいまだにここからの最短ルートを選び出せず、よく迷子になったり遠回りをしたりする。 さて、目的の美術館では「江戸の異国趣味」と題して、18世紀江戸絵画に影響を与えた沈南蘋とその流れを汲んだ作品を130点あまり紹介している。ギャラリートークの最中に滑り込み、何食わぬ顔をしてトークに聞き入る。どの絵もめでたいとされる花や鳥がたくさん織り込まれている(吉祥図案というらしい)。スピーカーである学芸員さんは中国語の素養のある人で、絵の中のモチーフを一つ一つ取り上げながら、そのモチーフがなぜめでたいかをその中国語での音も紹介しながら説明してくれる。「めでたい」ものは富貴、長寿、子孫繁栄といったものが多く、まず富貴はともかく長寿や子孫繁栄をこれほどまでに願うという、無病息災から遠く離れたその時代の生き延びることの難しさを感じさせる。 写実的な描写と華やかな色使い、めでたいモチーフ、長崎に渡来した一人の画家の作風がまたたくまに日本の縦横に広まった背景には、単なる異国情緒をもてはやすのとは別の希求するものがあったのだろうか。
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