WELLA
DiaryINDEXpastwill


2001年03月17日(土) 目玉焼き

朝食の目玉焼きを作りながらこう考えた。(←草枕風)
得意料理は何と聞かれたら「目玉焼き!」と答えるだろうな。いや、マジで。これを料理というかは別として、目玉焼きならほぼ失敗なくいつも同じに仕上がるので、やっぱり「得意」なんだろう。

私が作るのは母から習った、黄身の部分が半熟のサニーサイドアップ。フライパンを熱して一センチ幅に切ったベーコンをぱらぱらと敷いて、程よく脂が出たら卵をポンポンと割り入れ、さらにフライパンが熱くなったところで、さっき割った卵の殻をスプーン代わりに鍋肌からじゅじゅっと水を差す。軽く回して蒸気がもうもうとたったところで蓋をしてしばし蒸し焼きにして出来上がり。白身はしっかり火が通り、黄身はうっすら白い膜が張ってふっくらピンクがかった半熟状態に仕上がる。黄身がどうしてピンクに見えるのか謎。このタイミングをはずすと黄身がぼってりと全熟になって色も黄色くなる。

人前で目玉焼きを食べるときはいつも躊躇する。伊丹十三のエッセイの中にも「目玉焼きの食べ方っていろいろあるよね、黄身と白身をぐちゃぐちゃに混ぜて食べる人とか、ほら、こんな風にさ…」とかなんとか説明する振りをしてちゃっかり目玉焼きを食べてしまうという話が出てくるが、正式な食べ方ってあるんだろうか?
魚を食べるときはひっくり返しちゃいけないとか、にぎりはネタの方にちょいとしょうゆ(ええぃ!通ぶってムラサキなんていうんじゃねぃやぃ!)をつけて一口で放り込むとか、バナナがまだ貴重だった頃の百科事典のテーブルマナー欄に載ってた「ナイフとフォークでのバナナのいただき方」とか、その手の「目玉焼きの正式ないただき方」なんていうのはあるんだろうか?百歩譲ってフォークとナイフで食べるマナーはあるとして、お箸で食べるときはどうすればいいのだ。うーむ。

じぶんちで食べるときは、まず白身の部分を先に片付けて残った黄身をお箸ですくい上げてパクっと食べておりますな。うまい具合にベーコンが黄身の部分を支えるように貼り付いていると尚よろしい。何しろ黄身の部分は半熟なので、下手をすると黄身がどろっとこぼれてかなり悔しい思いが。パンが残っていればまだそれでふき取ることもできますが、それも出来ないときの悔しさったら!
首尾よくすくい上げたら歯を立てながら中身をちゅるりっと吸い取ってしまい、あとはなんとなく二つ折りにしてバクリっといって終わり。あー満足。ちなみに子供の頃の食べ方はもっと本能に忠実で、初めに黄身の部分をお箸の先でちょいとつついて穴をあけ、おもむろにそこに口をつけてちゅるちゅるっとすすりこみ、残りを安心して落ちついて残りを食べる、という方法をとっておりました。
今でも実家に帰るとそうやって食べているかもしれない。一応配偶者の前では気を遣っているということでしょうかね。ええ。


れいこな |MAILBBS