WELLA
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1999年11月28日(日) クリスマスカード

今年一番最初のクリスマスカードがケンブリッジから届いた。
英語の個人レッスンを受けていた先生からだ。この先生には日本人の生徒がたくさんいてクリスマスには壁という壁が日本人からのクリスマスカードで埋め尽くされるほどである。
11月に入ってからこのところ無性にケンブリッジのことを思い出す。落ち葉の感じが似ているのか、11月という言葉の響きなのか、切ないような気持ちになる。自転車に乗って薄暗い街を走り回っていた自分の姿が思い出される。
ふとした拍子に街角やカフェの一角の情景がまざまざと甦ってくる。
実際、去年の11月は私の生活は多忙を極めていた。ちょうど滞在の折り返し地点を迎え、生活への慣れと、減っていく一方の滞在期間への焦りとの狭間で隙間を埋めるようにさまざまな予定を入れていた。
一日のうちに3〜4のイベントをこなし、更に中旬には日本から来たとあるプロジェクトに参加し、ロンドンに出かけ、新しい人に会い、日本を恋しく思い、毎日毎日を過ごしていた。
霧にけぶるケンブリッジの街。常に異国人であるという緊張感を強いられていた生活。
今は緊張しなくても生活していける。病院にも気軽に行ける。いざとなれば頼りになる実家も近い。のんべんだらりと暮らしていても、別に勿体無くないと思える生活。これはこれで贅沢だと思う。こういう宙ぶらりんの時期を過ごすのも悪くない。

重い腰を上げて、クリスマスカードを買いに大きな街の書店まで出かけた。
海外用のクリスマスカードは、普段目にすることのないようなじゃぱに〜ずな柄である。しかもエアメール用に薄い紙に印刷してあるのもある。一万円以上まとめ買いをすると一割引になるとか、ある程度数がまとまると封筒に名入れをしてくれるサービスもあるらしい。
きわめて日本的である。


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