WELLA
DiaryINDEXpastwill


1998年03月19日(木) おいおい…

私のいる研究室では、日本を代表するとある経済の新聞をとっているのですが、そこにかつて私が勤めていた銀行の広告が時々載っているのを見ます。題して「○くらの決意」(枕?)。
でもってこれがまた、バブル華やかなりし頃のCIのような、「ぉいぉい、今頃暢気なことやってていいのかよ…」と顧客を不安に陥れるような、ただただイメージ先行型のものです。
広告の作りをちょっと説明すると、一回につき銀行の各部署のひとつが紹介され、そこの部署の人々が仕事に取り組む姿の写真が大きく載っていています。
そしてその脇に、「激動する金融界のこれからに向けて、さ○らは動いていまーす。そんでもってあーしてこーしてがんばりまぁ〜す」という「決意文」が小さい文字でチマチマと添えられています。しかしながらそれが今時のキーワードをちりばめただけの、玉虫色というか総花的というか、具体的な事がちっとも伝わってこない、なんとも困った広告です。
バブルの頃と違うのは、そこに登場するのがいかにも切れ者という感じのビジネスマンではなく、やぼったいけど皆で知恵を出し合って真面目に仕事に取り組む人々の姿だという所でしょうか。打合せの風景や、ノートパソコンでデータをいじっている姿や、路上で地図とにらめっこしている姿とか、まあ、いじらしい訳です。

で、なんでこんな事を書いているかというと、今日付けの新聞に、ついに自分のいた部署が回が掲載されたからなのです。
写真は、後ろに大型のコンピュータがずらっとあって、デスクトップ型の端末が並んでいて、そのひとつで若い一組の男女が端末に向かっている様子が出ています。巷であれほどノートパソコンが氾濫していながら、システム部っていうと相変わらず「汎用大型」が「らしさ」を醸し出すことになってるらしいですねぇ。
二人は並んで座って同じディスプレイを見ているんですが、男性の方は手に開いたファイルを持って、女性はキーボードをたたいています。実は女性の方は私の後輩で、もう「女のコ」でもない年齢だと思うんですけど、日本風の美人でしかもおとなしくて性格がよいので、私は大好きだったのでした。
そんな訳で紙上の彼女と再開したのは、ちょっとうれしかったのですが、問題はその構図です。彼女が制服を着ているだけに、その写真からすると、いかにも男性の指示通りにオペレーションしているように見えます。
なんたる銀行らしい封建的な構図でしょうか。(笑)
えてして大企業というというのは、ほんの一握りごくわずかな女性を「スタア」として留学させたり女性だけのワーキンググループをでっちあげて、さも女性を積極的に登用しているように見せるのが好きですが、今回の広告写真はそのあざとさらも放棄してしまったようです。

私はモデルがいけない、と言っている訳ではありません。私の知る限り、彼女が部の中で一番美的にアピールすると思いますし、彼女の真面目な人柄が滲み出たとてもいい姿だと思います。
けれど、女性がサポート的な仕事をしているのでもないのに、そういう風に解釈できる写真を使うのは如何なものでしょう。少なくとも「やる気」を見せる広告のつもりならば、男性と同等もしくは、それ以上に仕事をこなす「頼もしい女性」が若い男に檄を飛ばしてるような写真のひとつも載せてみたらどうかと思うのです。実際そういう女性も少なくないのだから。
そんな女性が職場にゴロゴロいる銀行の方が、なんとなく安心すると思うのは世間様とずれているのでしょうかね。

…なんてことを、こんな所で言ってたって仕方ないか。
あ〜あ。


れいこな |MAILBBS