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小坊と食事をしていると、「地球の歩き方」を持って一人で食事をしていた中年男性に「日本の方ですか」と話し掛けられた。 余談だが、我々は外国で日本人に見られないことが多い。以前香港に行った時、税関では中国語で質問され、帰りの飛行機ではアメリカ人スチュワーデスに外国人用入国管理票を渡された経歴の持ち主だ。しかし日本人にそう尋ねられるとは世も末である。 その男性はJICAのプロジェクトで、単身赴任でこちらに来て道路を造っていると言う。またもJICA! まったく大活躍である。カトマンズの日本語ブームもJICAの職員との交流が大きく影響しているようだ。男性は露店の大きな市場が面白いから連れて行ってみるといい、と小坊にアドバイスしてくれて、「よい旅を」と会釈して出て行った。そちら様もどうぞお元気で。 昼食後外へ出ると、さらに日本語のうまい小坊が出現。 この小坊は彼の親友らしい。日本に行ったことがあるという。楽しそうに話しながら二人でどんどん先を歩いていく。途中で2〜3寺院を見る。正直なところお寺には飽きているが、仏教の寺院はヒンドゥーとはまた違った趣きがある。お堂の周囲は時計回りに巡らないといけないと注意された。小坊の一人が朝お供えした花と水を頭の上から掛けてくれる。幸運を祈るおまじないらしい。 彼らが通っている語学学校も市場の脇にあるという。日本語の先生は現地人だが、日本人を連れていくときっと喜ぶから一緒に行こうと誘われた。学校の名は「エヴェレスト・語学学校(Everest Language Institute)」。ちなみにさっき曼荼羅を買ったのは「エヴェレスト・タンカ(Everest Tanka ,Inc.)」だった。「タンカ」というのは、チベットの掛軸のようなものを指すらしい。学校の前まで来ると小坊が頓きょうな声をあげた。 何かと思えば、今日は土曜日だから学校が休みだ!という。しきりにあやまる二人。その学校の生徒である君達が日中ブラブラしてるんだから、そりゃ、休みだろう。 市場を冷やかしながら歩く。鮮魚商を見かけると指差しながら皆で「サカナ、サカナ」と言い、鶏を見れば「ニワトリ、ニワトリ」と言う。ばかばかしく楽しい。 途中でビニール製の大きなショッピングバックを見かける。手にとって見ていると「欲しいものが決まったらおれたちに言え。そうしたらおれたちが話してやるから現地価格で買える」という。なかなかである。彼らに口を利いて貰って、現地価格で買う。観光客用と現地用の価格の二重構造は当り前のようだ。 ところで、私は実は昨日から急激に サリー が欲しくなっていた。なんとなく照れ臭かったが、サリーを買いたいというと「それはいい!あなたはチベット人みたいだから、サリーはとてもいい」と面白がって、知合いの店につれていってくれた。ここもマージンを貰っているのか、とふと思ったが、かといって他の店に行くあてもない。 サリーは一枚の薄布で畳むとまったくかさばらないので、小さい店でもかなりの枚数を揃えている。値段は数百円から数千円だという。あれこれ迷ったが数百円のを2枚買った。 さて着方だが、なかなか覚えられない、着せてもらって、手助けしてもらって、店の主(♂)が自ら着て見せてくれて、再度自分でチャレンジした。難しい。その間小坊たちは「すごくいい」だの、「ちょっと太って見える」だの、「横綱みたい」だの、「ネパール人そのものだ」だの、いろいろ言いながら世話を焼いてくれる。どうにか着られるようになったので店を出た。 なんとも愉快な午後である。
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