WELLA DiaryINDEX|will
左右に田んぼを見ながら車で山道をくねくねと進むと、突然視界が開け、そこに場ちがいな鉄筋コンクリートの建物群がばば〜ん!と姿を表します。それが、私の通っている学校です。 で、一応自然と調和した近代的な建造物を目指しているらしく、学校の中に芝生の植え込みがあったり歩道にレンガっぽい石が敷き詰めてあったりします。学校の裏手には滝があって、遊歩道になっています。滝に至るまでの小さな川は何故か護岸工事がなされていて、そこに生活廃水が流れ込んで、夏はしゃぼん玉がぷかぷかしてたりします。 あくまで目指すは人工的な自然なんですな。 ところで人工的な自然を保つには、こまめなメンテナンスが必要なわけですが、これがまた大らかなお心を反映しているのか、資金繰りがつかないのか、単に雪で隠れるからさぼっていただけなのか、メンテナンスは入らず、つまり、春から夏にかけてあっという間に草ぼーぼー状態になるわけです。 当然ながら今年も雪解けとともに草ぼーぼー状態になりました。 石畳の間から、はたまたちょっとしたすき間から、ゲリラ的に花を咲かせる名もない野花たちを、私は影ながら応援していたのでした。自然の花の美しさや、あるいは芝生の上に大胆にもヒョウタン型に群生してしまうクローバのたくましさに、常々、ほほぅ、感心、感心、と感じいっていたのです。 そんなある日、いつものようにテクテクと学校へ歩いていると、草がつまったセメント袋大の袋をかついだ、愛想のいいお兄ちゃんとすれ違いました。こちらも気分良く挨拶を返して、ふと気づくと 「は、花がない…!」 どうやら、突然メンテナンスだーっ!ということになったらしく、毎日無言で「感心、感心」と熱い眼差しを送っていた入口脇のマーガレットのような花も、(ほんとにマーガレットかも…)その脇に咲いていたちょっと小さな赤紫の花も、皆苅りとられてしまったんざんす。 というわけで、 黄色い花だの、白い花だのが一面に咲いていた小高い植え込みは、全体がトラ苅りのムラムラのダンダラの見るも無惨な姿になってしまったのでした。 …そんなことなら両手一杯の花束を作るとか、花の輪飾りを作るとかすればよかった…。 摘むと枯れちゃうからと思ってずっと我慢してたのにさ。
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