「 予想だにしない悲劇が起こり、どんなに失意に打ちひしがれても、僕達は、 おなかが減れば食べるし、眠くなれば寝るし、奇麗な裸体があればやるし、 そんな欲高い生き物なんです。」彼はそう言ってグラスを置いた。僕は頷きもせず立ち上がり、テラスに出てみた。夕空には、1羽のカラスが僕の心を見透かすように、羽ばたいていた。