日曜の朝のコンビニには、ご婦人共が、家族の朝ご飯を買いに来る。
彼女達はだいたい、 「オニギリが4つ、お茶が4つ、パンが4つ」 という風に家族の人数に合うように買っていく。
僕はレジでそれを打つのだが、たまに 「オニギリが5つ、お茶が5つ、パンが4つ」 というような買い方をするご婦人がいる。
こんな買い方をされると、僕は少しなえる。 家族の中で一人だけがパンが食べられないなんて。
兄弟が多くて、ケーキなどキッチリ等分して食べていた自分の境遇に照らし合わせると、 とてもじゃないけど耐えられない。
そして、ご婦人達がそんな買い方をするたび僕は兄弟達の事を思い出す。
1番目の姉は結婚したけど、うまくやってるかな? 2番目の姉は結婚問題でゴタゴタしてるけど頑張ってるかな? 末っ子の弟はいつでもどこでもまだまだハイテンションかな?
「僕も僕なりに頑張るから、頑張ってな」
僕は、店前の道路のゴミを掃きながら、朝の冷たい風をあびながら、息を白く出しながら、 赤い朝日に照らされ赤くなった雲を見ながら、静かに呟く。
弟よ 君の目にはこの僕はどのように映っているのかな。
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