最後の朝。 まるで小猫が行き先を迷うように僕の心は困惑していた。
涙の跡。 外は雨。 それは全てを流す時間的存在だった。
お陰で僕は踏ん切りがつき、ようやく靴紐をしっかり結べるようになった。 加えて前にも歩けるようになった。
僕達は家へ帰ってまたそれぞれの道を歩いて行くんだ。 ここは終点でも発着点でもゴールでも無く、ただの交差点だった。
この交差点では巻き込み確認も方向指示器も必要なかった。 ぶつかるならぶつかればいい。 譲りたいなら手を横に流して笑顔をすればよいのだ。
僕は再び1人の道を歩き始めた。 仲良くなった彼等と再び何処かの交差点で会う事を約束して。
僕の背中で新しい出会い達が歓喜と悲観の声をあげていた。
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