いつもの日記

2001年09月09日(日) ボールボーイ

TVでテニスの試合を見た。
準決勝でヒンギスとセリーナ・ウイリアムズは激突した。

セリーナ・ウイリアムズのパワーの前にヒンギスはたじたじ。
ヒンギスはファーストサーブをネットに引っ掛けて失敗が続く。

ボールボーイはそのたびに縦横無尽にコートを駈けた。
速かった。
速すぎてビックリした。
忍者と思うくらいだった。

私は彼の虜になった。
彼しか見えていなかった。

ヒンギスとセリーナ・ウイリアムズが打ったボールは私の右耳から入り左耳から出ていった。
それとも左耳から入り右耳から出ていった。
そのどちらかだった。
それが繰り返されていった。

ただ1人ボールボーイだけが私の頭の中を駆け巡っていた。

試合はセリーナ・ウイリアムズのワンサイドゲーム色を呈してきた。
それと同時に私が虜になったボールボーイはあろうことか勢いというものが霞んできた。
試合のはじめの頃よりダッシュが幾分鈍いのである。

彼は疲れていたのかもしれない。
しかし、そんなことに関係無く私はがっかりした。

私はそれから暫く試合を眺めたあとTVを消した。
もうボールボーイですらも私の両耳間を出たり入ったりしていることに、私は気づいたからだ。


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