いつもの日記

2001年08月22日(水) 小説4 サンガリア

散歩を始めた。
早朝約40分。
家の近くを4kmほど歩く事になる。

散歩をすると多くのことを発見する。
こんなところに炭火焼肉長寿苑ができている。
そんなところでおじさん達が住んでいる。
あんなとこには60円〜100円激安自動販売機がある。
ジュースが60円とは安い。
ほんとに安い。
しかし60円なのは甘ったるいサンガリアコーヒー190mlであった。
なっちゃんやジョージアは相変わらず100円である。
心底納得。
フムフムうなずく私。
けんちゃんとフムフム。

20分ほど歩いたので折り返すことにする。
折り返したところにおばちゃんが立って待ち構えていて缶ジュースをくれる。
ありがとう。
朝から補給係も大変ですね。
もらった缶ジュースをズボンのうしろポケットにしまってあとは帰るだけのウイニングラン。

川端通りのところで信号が赤。
はやる気持ちがもうはじけそうだが待つ。
小学3年生の女の子2人組の直子と香苗も信号を待っている。
彼女達の話す声が聞こえる。

「前に美喜ちゃんが野口君に告白したって聞いたやろ」
「うんうん」 
「あれどうなったか知ってる?」
「ううん。あれから聞いてないし、全然知らんわー」
「あれな。作り話やねん」

誰がなんのためにこんな恋バナを創作したのだ!
私は心から疑問に感じ、あたふたと視線をうろうろさせた。
すると気づいた。
彼女達の右手にはあのサンガリアコーヒー190mlが握られていたのだ。
そうか!これは悪の組織サンガリアの仕業だ。
狂ったデマを流して甘い言葉で純粋な子供達を囲い込もうとしているのだ。
多分この作戦を指揮しているのはサンガリア参謀長・山田雅人に違いない。
そうでなければあれほど多弁でごきげんに面白い彼が、
ここ最近わざわざレギュラー番組を減らす訳はないからだ。
サンガリアに毅然とした態度で対応していく事を心に秘め私はマンションまで戻った。

マンションの階段を登っていく私のうしろのポケットには、
もちろんサンガリアコーヒー190mlが入っていた。
サンガリアの作戦は甘ったるいコーヒーのように、いやらしく私にまで忍び寄っていた。


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