第1章 音
今日は朝から大学へ。 今日もメールチェックと陸ナビからスタート。
最近この作業は午後まで続くこともあるが、この日は朝の内に終わる。 ふぅ〜と一息つく。朝の時間は大切で巧く使いたいものだ。 でも何をしょっかなぁ〜。
周りを見渡す。横のソファーベットには加守田くんがお休み中だ。 卒論の追い込みで、彼は昨日から泊まりのようだ。
しかしながら、この朝ののどかな時間を狂わすものがある。 カリガリ・・・ギリギリ・・・ギリギリギリギリ・・・
何かの音だ。何かは判らないが、何かしら不愉快だ。耳障りだ。 俺はその音の正体を突き止めるため耳を済ませた・・・
第二章 原因
カリガリ・・・ギリギリ・・・ギリギリギリギリ・・・ その音は彼の方から聞こえてくるようだ。
俺は恐る恐るその音のほうへ近づいていった。 俺は背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。 たいまつを握る手が汗で滑りそうにもなる。
しかし、ここで引いちゃダメだダメだ。 「未知は怖い事じゃない。発見であり進歩だ。毎日がレボリューション」 自分に何度も言い聞かせ、精神を振り絞り前へ進んだ。
そしてしばらく歩を進めた後に、俺はその音が聞こえてくる穴を発見した。 その穴からは、まだなお不愉快で、耳障りなギリギリという音が絶えなかった。 その音は想像をはるかに絶するものがあった。
俺は恐怖で足がすくみもしたが、精神を集中して原因を探った。 そして、ついに俺は穴の中にある白いものがすれて、 音が鳴っているのを発見したのだ。
第三章 退治
原因が判れば、もうこっちのものだ。 俺はすぐさま踵を返し、早歩きで自分の机に戻った。 部屋では走っちゃダメなことは重々承知だ。
こんなときこそ冷静さが必要なのだ。 「チャンスに慌てず、ピンチに焦らず」 この言葉は阪大ボクシング部の魂だ。
その言葉を独りでつぶやきながら、その音をかき消すため俺は大掃除を始めた。 できるだけ激しくスピーディーな動きを、俺は絶やさなかった。 机を激しく拭いたり、机の引出しを開けたり閉じたり。
俺は必ず休まなかった。こののどかな時間を犯されてなるものか! 俺は絶対休まなかった。そうこうするうちに、次第に音が消えていった。。。
しばらくして、その穴から、こんな音が聞こえてきた。 「柴山さ〜ん。動きはげしいっすよ。うるさいっすよ」
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