昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年10月23日(日) 共苦

Tが稲刈りに行くというので、6時に起きてオムスビを作った。梅干と鮭と昆布をいくつか。それに、卵焼きとほうれん草のおひたしとコンニャクのキンピラをつめる。朝ごはんは、その残りもので賄った。

掃除や買物を午前中にすませて、図書館に予約していた本を引き取りに行った。
借りたものは、トーマス・ベルンハルト『ふちなし帽』、アニータ・シュリーヴ『いつか、どこかで』、絲山秋子『袋小路の男』。

本を3冊携えて、花博公園に行った。3時間くらいかけて、園内をぐるぐると歩き回り、歩き疲れたらベンチに座って本を読んだ。
風車の広場には、赤いバラとピンクのコスモスが咲いていた。パターゴルフ場では、老夫婦がクラブを振り回していた。売店では、夕張メロンソフトクリームが売れているようだった。広場は犬を連れた家族連れが多かった。植木市は大盛況だったけど、世界の森は人気がなくて寂れてた。

『袋小路の男』を読んだ。続編らしい『小田切孝の言い分』も良かったが、やっぱり『袋小路の男』のほうがグッとくる。絲山秋子さんの短編では、『i feel』に掲載されてた『ニート』も良かった。あんまり感動したもんだから、続けて3回も読み返してしまったほどだ。
『袋小路の男』で、好きなところ。

『あなたが私の車に乗ると、とてもいい匂いがした。嗅いでいることが恥ずかしくて煙草をひっきりなしに吸った。あなたは優しくて、眠そうで、何百回と会っているのに今日が一番好きだと思った。だけど、永遠に好きじゃないかもしれない。いつか飽きるかもしれない。嫌われるかもしれない。今がピークなのかもしれない。関越から藤岡ジャンクションを経て上信越道を走りながら、ふと死んでやろうかという気になった。今なら一緒に死ねる。行き止まりの世界から脱出できる。一度だけ、あなたの未来を私が借りる。』

こんなふうに、ほとんどそのまんま、思ったことがある。
でも、私がその中に含まれていないと知ってても、好きな人の未来は奪えなかった。

昼ごはん。ドーナツ1個、珈琲。
晩ごはん。筑前煮、ジャガイモとベーコンのスープ、レタスとエリンギのサラダ、もずく、ごはん。食後に、焼酎お湯割3杯。

関ヶ原より東は鬼門だ。
愛するものの努めと思い、しっかりゲーム終了まで観た。腹が立つとか、情けないとかを通りこして、平然とした気持ちだ。
もう負けてもいいわ。負けてもいいから、ちゃんと「野球」をやってくれ。

熱が出そうなので、早々に床についた。


フクダ |MAIL

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