昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年10月10日(月) derealite

三連休だった。気持ちはいまひとつ、冴えなかった。休みなんて、どうでもよかった。休日が嬉しくないなんて、わたしは寂しい人だ。

土曜日。
梅田大丸ミュージアムに『ホルスト・ヤンセン展』を観に行った。奈落の底に堕ちていく感じで良かった。一連の自画像、特に『哀切』というのが、胸に残った。自身が闇に溶けていくようで。

その日の夜は、数年ぶりに従姉妹と会って、京都で酒を呑んだ。昔と変わってないわねえ、と言われた。そんなことはない、わたしはずいぶん変わった。高校生といっても通じるんじゃない?、とも言われた。全然嬉しくない。この歳になって高校生みたいと言われるなんて、バカと言われているのと同じだ。それに、こんな高校生がいたら怖い。

帰りの京阪電車で、森村泰昌と一緒になった。黒ずくめの服装で、花束をたくさん抱えていた。

日曜日。
三連休のうち、唯一晴れた日。四天王寺の古本市に、キコキコと自転車をこいで行った。
買ったもの。『海燕』の創刊号(福武書店)100円、野坂昭如『風来めがね』(文芸春秋)100円、『芸術新潮』2003年12月号「特集:ロシアイコンへの旅」(新潮社)800円。
古本探しに飽きたら、池の亀を眺めた。亀は泳いでみたり、甲羅干ししてみたり、他の誰かと重なりあってみたり、いつ見ても優雅だ。生まれ変わったら亀になりたい、かもしれない。

月曜日。
雨が降ったり、止んだり。午前中は、二日酔いでつぶれてた。
午後から覇気なく掃除などした。台所でいろいろと料理もした。晩ごはんに作った肉じゃがと水菜のサラダはよい出来だった。休肝日にするつもりだったのに、またダラダラと飲んでしまった。でも、飲まなきゃやってらんないの。

3日間で、たくさん本を読んだ。とにかく、本ばかり読んでいるのだった。
『パレスチナ日記』、『小林秀雄対話集』、チェーホフ『決闘・黒衣の僧』、『樋口一葉小説集』(これは金曜日に買ったちくま文庫の今月の新刊)、それからロジェ・グルニエ『六月の長い一日』。

『六月の長い一日』は良かった。
チェーホフ、パヴェーゼ、マンスフィールド、ロレンス、ヴァージニア・ウルフ、ブルーノ・シュルツ、ツヴェターエワ、それに、フィッツジェラルド『バビロンに帰る』、コンラッド『密偵』、スタヴローギンの『告白』…、など、日頃読んでいる小説の断片があちらこちらに出てきて、目を奪われた。
ロジェ・グルニエを読んでいると、明日死ぬのも、10年後20年後に死ぬのも、特にたいした違いはない、と思うことがある。

11月の文芸文庫に小山清がはいるとのこと、嬉しいわ。
早く11月になってしまえばいい。


フクダ |MAIL

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