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壱カ月|昨日|明日
2005年06月05日(日) |
クリント・イーストウッドに罪はない |
日曜日なのに、午前6時に起床。エライ。偉人である。異人かな? 昨日は気分がのらなくて思うように出来なかったので、張り切って掃除洗濯など。掃除機をガーガーとかけて、朝の静寂を乱す。台所も磨く。ついでに豆も煮る。「日曜美術館」を見てから、自転車で出かける。
月初めの週末にある、かっぱ横丁の店頭ワゴンセールに行く。朝早く乗り込んだわりには、収穫は一冊のみ。昭和30年に出た、吉田健一「酒に呑まれた頭」。新書サイズで、表紙は飲み屋の暖簾の絵。300円。 それから、梅田ブルクで「ミリオンダラー・ベイビー」を観た。
よく練れてるなあ、と思う。役者の配し方、音楽の入れ方、光の使い方、脚本の組立て方も、演技も演出も完成されてる。全てがっちりかみ合ってて、隙がない。戸田奈津子の過剰な字幕も手伝って、エピソードにひとつの無駄もなかった。ブラック・ジャックが怒り出すようなラストの展開も、無理なくきれいにすとんと落ちた。ほとんど完璧だった。それはわかるのに、何故心が動かなかったんだろう。私が観たいのは、こういう盤石な映画じゃないのかもしれない、たぶん。 全体が破綻しててもいい。辻褄もあわなくてかまわない。本筋に全く関係ないシーンやセリフがあってもいい。本当に言いたいことがなんなのか、すぐわからなくてもいい。わけわからなくても、意味不明でも、ごちゃごちゃでも、とるに足らないテーマでもいい。音楽でもセリフでも食べ物でも風景でも裸でも乱闘でも男でも女でもいいから、何度も何度もここだけ繰り返して観たい!、この場面を切り取って胸に焼きつけておきたい!、と思える1シークエンスでもあれば、もうそれだけでいいのだが。心をふくらませて家路につけるのに。今日観たこの映画には、それが1シーンたりともなかった。前半には多少あったかもしれない。でもそれが後半への布石だと思うと気持ちが萎える。あんなに完璧だったのに。巧い、と思うことと、好きだ、と感じることは違う。難しいな。 それから、病院ものが苦手だというのも、このモヤモヤ気分の一因かもしれない。要するに趣味の問題だ。
早めに帰宅して、ごろ寝。「ワールドミュージックタイム」を聞きつつ、晩ご飯を食べた。夜はホツホツと、国木田独歩を読む。
・購入物:吉田健一「随筆・酒に呑まれた頭」(新潮社) 古書
・朝食:ビーフカレーライス、キノコスープ(いずれも昨夜の残りもの)、ヨーグルト、バナナ 昼食:映画の前に、ハムサンドイッチ、珈琲 夕食:めざし、トマトとスナックエンドウのサラダ、大根サラダ、豆と昆布の煮物、ちぎりレタス、麦酒
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