昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
午前8時に起きて京都へ。朝ごはんは京阪京橋駅構内のうどん屋さんで、きざみうどんを一杯食べる。駅にある立ち食いうどんは、阪急十三駅のが美味しいと評判だけど(私のまわりでは)、京橋のもダシがきいててなかなかイケると、私は思っている。
昼前に雨の京都に到着。三条から岡崎までテクテクと歩いて、勧業会館の古本市に行く。かなり混み合っている。知らなかったけれど、今日が初日だそうだ。人と人の間からのぞくようにして古本を見る。行き交う人にぶつかって何度も謝った。2時間くらい場内をまわって、すっかり疲れる。古本市で集中力が保てるのは2時間が限度だ。それ以降はもうくたびれて、目が背表紙の上をすべっていくばかり。
本日買った本のこと。 吉田健一「頭の体操」は昭和34年の数ヶ月、熊本日日新聞に連載されていた文章を集めたもの。ソフトカバーで装幀がかわいい。勧業会館の古本市ではほとんど毎年のように吉田健一の本を買っている。300円。 ホッファーの「波止場日記」は前々からの愛読書のひとつで大好きな本なのだが、1971年発行のソフトカバーのものを発見したのでうれしくて、ダブり承知でつい買ってしまう。要するに、ソフトカバーが好きなのだ。800円。 大道あやの「たぬきじゃんけん」という絵本は今日初めてみた。わらべうたに絵をつけたものだけれど、まあとにかくすんごい迫力。見開きいっぱいにドバッと広がる、絵の力強さに圧倒される。原色の使い方が斬新だ。ただただ見惚れるばかり。大道あやはすばらしい画家だ。350円。 あと、1996年に練馬区立美術館で開かれた野見山暁治展の図録を1500円で、「あばらかべっそん」は200円、今橋映子さんの「異都憧憬」は未読だったし、持ち重りのする分厚さにひかれて。700円。 合計3850円。野見山暁治の図録のおかげで予算オーバーしちまった。文庫にほとんどみるべきものがなかったのが残念であるが、まあこれで良しとする。
いつもなら鴨川で作ってきたお弁当を広げるのだが、今日は雨なのであきらめる。しかも昼過ぎからは風にあおられるけっこうな降り方で、雨の京都もいいもんだ、などと風情を楽しんでもいられなくなったので、三条寺町の「スマート」に長いこと居座って、本を読んだりバカ話をしたりなどする。そのあと、三月書房とアスタルテ書房に寄って、洋服なども少しみて、夕方には京阪電車で大阪へ帰ってきた。車内では窓にもたれてぐっすりと寝た。
夜。「ワールドミュージックタイム」を聴いた後(今夜はフェラ・クティの曲がたくさんかかった。アフリカではカラオケでフェラ・クティを歌うのが流行っているんだって。あんな長い曲を歌われたらなかなか順番がまわってこないだろう)、バウンスのフィッシュマンズ特集を読んで聴きたくなって、「Chappie,don't cry」と「king master george」をかける。いきいきとはじけてて、初期のアルバムもいいものだ。『チャンス』を聴いて、いろいろと感慨ふかし。 『きらいな言葉 言わないから好きさ タバコを立ててすわないから好きさ いっしょうけんめい話すから好きさ わかったような顔しないから好きさ 自分の言葉で話すから好きさ 悪口ばかり言ってるから好きさ ただ ただ楽しい あなたが好きさ 暗い僕を盛り上げるからね』
・購入物:吉田健一「頭の洗濯」(文藝春秋新社) エリック・ホッファー「波止場日記」(みすず書房) 桂文楽「あばらかべっそん」(旺文社文庫) 今橋映子「異都憧憬 日本人のパリ」(平凡社ライブラリー) 大道あや「たぬきじゃんけん」(小峰書店) 図録「野見山暁治展」(練馬区立美術館) すべて古書
・朝食:駅構内の立ち食いそば屋で。きざみうどん 昼食:スマートにて。珈琲、フレンチトースト 夕食:鶏のなんこつ唐揚げ、きゅうりとジャガイモのサラダ、キムチ冷奴、ピーナッツ、あぶったイカ、麦酒
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