昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2004年09月22日(水) 静謐な時間

 昨夜降った雨のせいか今日はずいぶん涼しい。少し厚めのシャツを出してきて着た。

 朝、自転車を置いて会社までの道を歩いていたら友人より電話があり、聞いてほしいことがあるから今日飲みにいかないか、とのこと。どうせ男の話になるとわかっていたので気が進まぬ。70年代後半から80年代の初頭に流行った少女漫画みたいな話を聞かされるのは、正直言ってウンザリなのだった。そうはいっても暗い声を聞いたら放ってもおけず、いいよ、と返事をする。
 飲みに行くことになった旨Tに連絡し、仕事の段取りをつけ、今日観に行くつもりだった「バレエカンパニー」を諦め、待ち合わせ場所のドトールで「装幀列伝」を読んでいたら友人より、急に彼氏と会うことになったので行けなくなったとメールあり。バカにしとんのか。
 中途半端な時間で映画ももう間に合わないし、とりあえず「装幀列伝」をキリのいいところまで読み、文楽劇場へ宛てて11月公演の座席予約の葉書を書いて、フラフラとブックファーストに寄って帰った。

 ブックファーストで、「牛腸茂雄作品集成」を見つけて、少々高かったけれども躊躇なく買った。飲みにいったと思えば安いものだ。この写真集は東京や山形で開催される写真展にあわせて刊行されたもので、発表されたほとんどの作品を見ることができる。
 牛腸茂雄の写真は静かだ。子供達でも、仲睦まじそうな親子でも、多くの人が集まっているものでも一人のものでも、笑っているものもふざけているものも、音というものが聞こえてこない。聞こえるとすれば、草のゆらぎとか波の音とかどこか遠くで鳴っている踏切の音、という感じだ。そんな風に感じるのは、ちょっと寂しい。
 牛腸茂雄が切り取る世界は静かで寂しいけれど、とても優しい。どこにでもあってどこにでもあるからこそつい見逃してしまう、小さくて穏やかな風景が写し取られていて、見ているとシーンとした気持ちになる。そして、世界が誰の目にもこんなに優しく見えていればいいのに、と思う。
 寝る前に写真集を繰っていたら、ずいぶん夜更かししてしまった。これからも一枚一枚丁寧に見ていきたいと思う。大切に見ていきたいと思う。

・購入物:「牛腸茂雄 作品集成」(共同通信社)

・朝食:胡桃パン、いちごジャム、ベーコンエッグ、珈琲
 昼食:お弁当(枝豆ごはん、焼鮭、ゆで卵、シシトウの炒め煮)
 夕食:ニラと人参の塩焼きそば、鶏ナンコツの唐揚げ、冷奴、麦酒


フクダ |MAIL

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