昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2003年08月14日(木) 「蘆刈」

 大雨。よくもこれだけ飽きもせず、ジャンジャン降れるものだと思うくらい雨が降る。おまけに涼しいを通り越して、寒い。これでは泳ぎに行く気にもなれない。

 というわけで、一日中、寝食を忘れて本を読む。あ、食は忘れてなかった、ごちゃごちゃと何か作っては食べた。朝昼兼用食として作った、茄子とズッキーニを入れたトマトソースのパスタは絶品だった。やることなすことことごとく、自分で自分をほめられるようなことはほとんどないけれど、料理だけは時々、私は天才じゃなかろうかと思うようなものを作ることがある。ま、時々だけどね。

 今日読んだ本は、加藤一雄の「蘆刈」。京屋佐吉という美学の先生の半生と、その先生に関わる人々のあれこれを書いた小説。同じく加藤一雄の書いた「無名の南画家」が、もうひっくりかえるくらい素晴らしかったので、それに比べると少々ダレる部分もあるけれど、もちろんこれもたいへんおもしろかった。
 先生をとりまく人々は、心優しい善人で、ちょっと間がぬけていて憎めない人達ばかり。そしてみんな、病気や戦争で実にあっけらかんと死んでいく。ただ生きて、ただ死ぬだけ、という感じ。このクールさがたまらん。
 『「吉ちゃん、あんたも今に解るやろうけど、この世は結局カネの世の中やで、アーア厭なこっちゃけど、欲しいものはやっぱりおカネだねえ」』
などと、ため息まじりに言う先生の叔母さんが、登場人物中一番好き。

 夜、東京から帰省してきている友人夫妻が泊まりに来た。みんなでビデオで「幕末太陽傳」を見て大笑いする。

・購入物:なし

・朝、昼食:茄子とズッキーニのトマトソースパスタ、パン
 夕食:豚とチンゲンサイとパセリの炒め物、瓜のかきたま汁、冷奴、麦酒、ご飯


 


フクダ |MAIL

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