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壱カ月昨日明日


2003年06月27日(金) 「河内屋」と「雨」

 早々に仕事を片づけ、久しぶりに定時に会社を出る。午後からはヒマで、新聞を読んだり、いらない書類でメモ帳をつくったりしていた。やる気なし。

 阪神百貨店に、前から目をつけていたカバンをもう一度見に行く。この前もうちょっとで衝動買いしそうになったのだけど、私の中のもう一人の私が、似タヨウナノガ家ニゴロゴロシテルンジャナイノカ〜、と警告を発してきたので、とりあえずやめた。今日もう一度みて、あのカバンが初めて出会った時の輝きを失っていないようなら購入してもいい。1万5千円のカバンのことでいちいちうるさいけど、これは値段じゃないのだ、私の買い物哲学なのだ。それも大げさか。
 で、行ったらもう売れた後だった。お取り寄せいたしますよう、と店員は言ったが取り寄せてまでは要りません。一人相撲ってこういうことをいうのかしら。

 今日は広津柳浪の「河内屋」と「雨」を読んだ。
 登場人物の誰一人として幸せにならない小説。
 「河内屋」は一人の女性が亡くなることで、その周りの人々の運命が少しづつ狂いはじめていく話。「雨」は降り続く長雨と強欲な母親に苦しめられる、貧乏長屋の若夫婦の話。
 今日のような雨の夜にひとりで読んでいると、もう気が滅入って滅入って。でもその暗さ加減と文章、特に会話文の流麗さに病みつきになる。広津柳浪って多分、世間一般の幸せとか救いとか美談とか、全然信じてない。それがどうしたこれがほんとの人生だよ、と小説に書いて見せてくれているような気がする。

・購入物:なし

・朝食:チキンサンド、牛乳
 昼食:コーンサラダ、メロンパン、ヨーグルト
 夕食:いわしの煮付け、キュウリのゴマ和え、アスパラのサラダ、玉ねぎの味噌汁、玄米ご飯

 
 
 


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