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壱カ月昨日明日


2003年06月23日(月) 狂乱と霜凍る宵

 なぜか知らないけど喉が痛くて、鼻水がズルズルでる。今週末から旅行に行く職場のNさんに、うつされたくないから早く帰ってくれ、と言われ仕事を残してまっすぐ帰る。
 
 地味でやる気のない夕食を食べてから、じっとりと近松秋江の「狂乱」「霜凍る宵」を読む。「黒髪」の続編。
 『何の因果であの女を諦められないのであろう』と泣きながら、引き続き女の後を追っかけている。女の老獪な母親に騙されて、こっちの町をうろうろ、あっちの山でよろよろ、あてもなく歩き続ける主人公。だんだん気の毒になってくる。
 ようやく居所をつきとめると、夜毎通いつめ、窓の外に立って女の様子をうかがう。大正のストーカーである。でも結局はプライドと自己愛が邪魔して、女に対して強引になれないところが、私自身をみているようでなんだか身につまされる。
 終わり方がなんだか中途半端だなあ、と思っていたらなんと「続・霜凍る宵」があるらしい。まだあんの。
 でも文章は滅法うまい。ぐんぐん読ませる。この話の内容でここまで読んでこられたのも、文章の美しさにあると思うなあ。すっかりファンになったかも。近松秋江なんて今は忘れ去られた作家なのだろうけど、いいじゃん私がちゃんと覚えていてあげるからねえ。

・購入物:なし

・朝食:レーズンパン、珈琲
 昼食:ベーコンチーズサンド、牛乳
 夕食:鮭の塩焼き、レタスサラダ、枝豆、とろろ玄米ご飯


フクダ |MAIL

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