Daily Journel@M403



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2004年11月08日(月)    こんな人になりたい

所用で出かけた川崎駅で、素敵な女性に会いました。
年齢は、そう、50歳くらいの方でしょうか。
とても印象的な女性で、「私もこんな風な女性になりたい」と
彼女の後ろ姿を見ながら強く思いました。

彼女との出会いは、駅構内のホームへ降りる階段のそば。
私は用事を済ませて、これから電車に乗って帰ろうとしているところ。
一緒に出かけた息子は、ベビーカーに乗って眠っていました。

折りしも、駅には折り返しの電車が着いたばかり。
階段の脇に邪魔にならないように立ち、階段を上がってくる人の流れが
途切れるのを待ちながら、私は思案していました。

(さて、どうやってホームまで降りようか?)

というのも、ホームに下りるには階段を使うしかないからです。
JR川崎駅には、エレベーターはおろか下りエスカレーターさえありません。
ターミナル駅だというのに。(涙)
いつもなら、息子を抱っこ紐で抱っこしてベビーカーを畳むのですが、
肝心の息子は気持ち良さそうに眠っている。
一瞬「このままベビーカーごと抱えて降りてみようか?」という考えが
頭をかすめました。

階段の上で立ち往生している私を、見るに見かねたでしょうか。
一人の女性が私の側に近づいて来て、なんと一緒にベビーカーを抱え、
階段を降りてホームまで運んでくださったのです。

最初「抱っこするならベビーカーを持つよ」と声をかけて下さった直後、
私が躊躇しているとベビーカーの中を覗き込んで一言。
「あぁ、よく寝ているから起こしたくないのね。じゃあ、一緒に持って
下まで運ぼうか?」と。すごく機転の利く方でした。

しかし、私はそれでも躊躇していました。
「でも、かなり重いので・・・(大丈夫です)」と。
すると、その女性は、すかさず笑顔で一言。
「知ってる。 私も昔ね・・・(笑)」と。
そして、有無を言わさず、あっというまに下まで運んでくださって、
「じゃ、気をつけてね。」と言葉を残し、今降りたばかりの階段を
再び上がって、風のように去って行ったのです。

(あぁ、格好いいなぁ。)

そして、その時になって、ようやく私は気づきました。
彼女は、一度上がってきた階段を、私達のために降りてくれたんだ、と。
なんだか心が熱くなって、私は彼女の後ろ姿に頭を下げていました。

赤ちゃんを連れて外出すると、駅や街中で優しく声をかけてくださる
年配の女性に沢山出会います。とても有難く嬉しいことです。
でも、こんな風に実際に手を貸して下さった方は初めてでした
だから、今日はとてもビックリしました。
彼女の迷いのない行動力と優しさに。

駅の階段を降りる際、ベビーカーを運ぶのを手伝ってもらったことが
一度ならず多々あります。階段を降りる時、正直いつも少し不安な
気持ちなので、運ぶのを助けてもらえると、とてもとても嬉しい。
でも、実際に助けてくれるのは、いつも男性でした。
結構力のいる作業なので、当たり前なのですけれど。
意外に女の人って、困ってる人を見ても、見て見ぬ振りの人が多いのです。
年齢に関係なく。首都圏だからかしら。
いえ、やはり非力で力になれそうにないからってのもあるでしょう。

でも、今日の女性は違いました。
私が今までに街中で見てきた、ごく一般的な?50代女性には全く
当てはまらない。初めてです、あんな女性は。
行動だけでなく、格好や服装、そして仕草なども実に格好いい。
ブランドの服を着ているとか、そういう意味ではなく。

うーん、うまく言えないのですが、とにかく【一目惚れ】です。
私も、あんなふうになりたい、歳を取りたい、と強く思いました。
とはいえ、きっと2度と会うことのない方でしょう。
一期一会の出来事ですが、私にとっては十分にリアルで具体的な目標。
10年以上経って、あんな風になっていたら最高だなぁ。

あんまり嬉しくて、ベビーカーの息子に話しかけた私。
「ねぇねぇ、今すごーく素敵な人が一緒にベビーカーを運んでくれたよ。
○○も見てた?お母さんね、すっごく嬉しかったんだー。」って。
すると、眠っていたはずの息子、しっかり目を開けておりました。
ありゃ。なんだ、だったら躊躇せず抱っこすれば良かったかな。(苦笑) 

ところで。
私、割と見知らぬ人に声をかけられやすい方です。たぶん。
助けてもらうこともあるし、道などを聞かれることも多々あり。(笑)



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