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2003年10月24日(金) 手仕事と道具選び
昨日のジャムの話にも繋がるのだけど、最近思うこと。 「たかがジャム」だけど、実は「たかが」だなんて言ってられないなって思う。 実は結構奥が深い。そういう風に感じること、ここ数年多くなった。 これと同じようなこと、石鹸を手作りするようになった時にも感じたなぁ。 そうそう、あと、写真を撮ることにも感じる。手芸にも。 きっと同じことは、自分でパンを作ったり、洋服を作ったり、料理をしたり、 それこそ、庭をいじったり・・・・・ 買ってくれば簡単に手に入るものを、あえて自分の手で作ってみたり、 とにかく手を使ってすること全てに共通することなのかもしれない。 一見、誰がやっても同じ気がするのに、人によって全然違うものになる。 同じ道具を使い、同じ方法でやっても、人によってアウトプットされるものが 全然違ってくるのだ。石鹸も、写真も、手芸も、そして料理も。 いずれも、「手仕事」という点で共通点があるのかな。 違いが出るとしたら、匙加減ってやつなのかもしれない。 必要な道具はもちろん使うんだけど、全部が機械任せではない。 何かの機械や機能に頼りきるんじゃなくて、道具を使ってもオートではなく マニュアルで・・・って感じかな。 だからといって、便利な道具を使うのは手抜きだから駄目ってことでもない。 全部を手作業でとも思わないし、その道具がなければ出来ないものもある。 ただ、必要に合わせて道具を使う時にも、どの程度まで使うかとかを含めて、 自分の五感を使って手触りや感触を確かめながら作業することは大事なの かもしれないな、とは思う。道具とうまく付き合うというか。 「あぁ・・・・・なるほどね・・・・・」 ここまで考えて、自分が基本的にマニュアル好きなのが少し分かった気がした。 車やカメラをはじめとして、最近では御飯を炊くことでさえも、 およそ機械や電化製品はオートではなくマニュアルで使う方が居心地がいい。 オートで勝手なことをされると、かえって困惑してしまって疲れてしまう。 あくまで、私はね。 世の中は、どんどん便利になって、今は何でもオート(自動)で使える。 カメラ然り、車然り、洗濯機や炊飯器然り、IHのキッチンコンロ然り。 ボタン1つで簡単に出来るっていうのが重宝される。 でも、ボタン1つで出来てしまうことって、なんだか味気ない。 簡単で便利だから使いこなせるとラクなのは確かだけど、面白くはない。 お金を出して簡単に手に入ったモノに、大して愛着が持てないように、 苦労もなく簡単に出来てしまうことには面白みもありがたみも感じない。 なんだか、ちょっと無機質だ。機能的すぎて。 例えば・・・・・ 炊飯器で御飯を炊くより鍋で御飯を炊く方が、今の私は心地いい。 元来アライグマ気質なので、食器洗い乾燥機も必要性を感じない。 電子レンジでさえ、沢山ついているメニューボタンを使った試しがない。 ちっともイメージどおりに撮れない写真を、オート機能で撮り続けるより、 知識や時間やお金がかかっても、試行錯誤を重ねながら自分のイメージに 近いものが撮れるようになる方が、その過程も含めて楽しい。 今の私は、デジカメも一眼レフもオート機能を使って撮ることがない。 お裁縫も、最初は手縫いの縫い目がバラバラだったり、刺繍のステッチが ちっとも綺麗に出来なくて、そんな自分が腹立たしくて落ち込んだ時も あったけれど、今は手で縫い合わせていく方が楽しかったりする。 もちろんミシンで縫う方が綺麗で速くてラクだし、ミシンという機械自体 とても好きなので、そのうち新しいミシンを買ってしまうだろうとは思う。 でも、きっとそのミシンも、刺繍機能とかオートとか、余計な機能のついて ないシンプルなミシンになるだろうなってことは、既に予想がつく。 そんな私は、最近、簡単で便利であるより、ちょっとくらい不便で面倒でも 自分の心地いいことやモノを選ぶようになってきた気がする。 以前の私は、効率的だったり機能的であることに、もっと拘っていたから、 多機能で万能であるものに弱かったのに・・・(笑) しかし、所詮、モノゴトには二面性があって、万能であるということは、 逆に見れば、どっちつかずで中途半端でもあるのだ。皮肉なことに。 モノに限らず、人間だって同じことが言えるかもしれない。 器用貧乏という言葉があるでしょう? 私は、その典型みたいな人間だけど(笑)、器用だったり万能だったりすることが 必ずしも秀逸だったり幸せではないのです。 不器用でも、これっていう何かが1つあれば、その人は幸せに感じられる。 逆に、どんなに器用でも、これっていうものが1つもないと、ちっとも幸せに 感じられなかったりする。周りから見える自分と、実感する自分は違う。 で・・・・・ 長々と考えてみて出た結論は・・・・・・(笑) 道具は自分で見て触って感じて、自分の基準で選ぶのが一番だなということ。 案外、他人の基準や評価って殆どアテにならない。 最近の私は、とても天邪鬼な性格なので(苦笑)、他人が絶賛すればするほど、 一歩も二歩も引いた見方をしてしまう。 ある人には必要不可欠なものも、自分には全く必要のないことも多々ある。 例えば、食器洗い乾燥機。 共働き夫婦の三種の神器とかって言われてるけど、我が家には必要ない。 だって、共働きではないし、大家族でもないし、何より私は根っからの アライグマ気質なので(笑)、そもそも水仕事が大好きなのだ。 「いやーん、私の仕事を取らないで〜」とさえ思う。冬でも全然平気。 だから、どんなに便利で絶賛されていても、私には必要ない道具なのだ。 もし仮に家の中に予め備え付けられていたとしたら、試しに何度かは使って みるだろうけど、最終的には全く使わなくなる代物であると思う。 でも、そうじゃなくて、食器洗いが死ぬほど嫌いで苦痛な人にとっては、 無くてはならない道具だと思うし、そういう人は率先して使ってみるべきだ とさえ思う。金銭的かつスペース的制約もあるから状況次第だけれど。 大事なのは、あくまで選ぶ基準は自分だということ。 だから、まずは自分のことをよく分かってないと、本当に自分に必要で 使い勝手のいい道具を的確に選ぶことが出来ない。 カメラにしたって、鍋にしたって、ミシンにしたって、道具は何でもそう。 人生は選択の連続だから、大袈裟だけど、モノ1つ買うにしても、そこには 買う人の人生観やスタイル、好き嫌いが見え隠れしている。 良いとか悪いとか、正しいとか間違ってるとか、そんなのは関係なく。 よくよく観察すると写真1枚にも人柄や性格は垣間見えるし、その人の服装や 持ち物にだって、その人自身が表れている。 もっと言えば、その人の住んでいる家や部屋を見たら更によく分かると思う。 どんなモノを持っているかを見れは、その人がどんなことに興味を持っている 人なのかも分かる。 そして、物の多いとか少ないとかに関係なく、統一性のない物にあれこれと 囲まれた部屋というものは、雑然としていて居心地が悪い。 もしかしたら、当の本人でさえも居心地悪く感じているかもしれないほどに。 でも、それも考えてみれば当たり前のことなのかもしれない。 えてして、そういう部屋に住む人は、自分で自分のことを把握できていない ってことの現れじゃないかと思うから。 そう考えると、住環境やインテリアも、単なるスタイルやファッションを 越えた部分で、なかなか奥が深そうだな〜と思ったりする。 モノや道具を選ぶ行為は、自分を見つめる行為に繋がっている気がする。 皆が絶賛するからとか、オシャレな感じだからとか、自分の中ではなくて 外の基準で選ぶと、大抵の場合は失敗をする。 結局大して使わずに、ただの邪魔っけなお荷物になる可能性が大。(笑) もちろん、これは、あくまで私の場合だけれど。 だから・・・・・ 迷った時や決めきれない時は買わない。 理由は分からないけど、何となくしっくりこない時も買わない。 この世の大半のものは、あれば便利だけど、別に無かったら無かったで結構 何とかなるものだったりする。だから、そう慌てて手に入れたりしなくても、 実際にはどうにか過ごせてしまったりするのだ。大抵の場合。 結果、無いなら無いなりに過ごしているうちに、そのまま必要性を忘れ去ら れてしまったモノも多々ある。 ある一時期、なんとなく欲しいな〜と思って情報収集していたものの、 なんとなくしっくりこないからペンディングしているうちに、いつのまにか どうでもよくなって、購入を検討したこと自体忘れてしまうとかね。(苦笑) そして、そういうものは、結局、自分にとっては必要なかったものだったり するのだ。後になって、「あぁ、あのとき、勢いで買わなくて良かった」と 思ったもの、実は沢山ある。慌てて買って失敗だったなと思ったものも。 それと、もう1つ最近感じたことは・・・・・ 道具やモノを手に入れる動機や、それこそタイミングなんかも、実は意外に 大切なことだったりするんだな〜ということ。 出会うべくして出会った道具は、すんなりと生活の中に溶け込んでいくから。 そして、そういう道具は使っていても心地いいから、ついつい手がのびて 使ってしまうという、ものすごい相乗効果をもっている。 ってなわけで、モノとの出会いは、人と人との出会いと同じように、ご縁や タイミングなんてものも意外に大事なようです。 それはきっと人やモノだけではなくて、家とかマンションとかいった不動産を 購入する時にもいえることかもしれない。 そして、どちらも選択する際の基準は、あくまで自分自身の中に答があって、 自分の外側(=世間の評判や評価)にはないということも。 | |
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