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2004年06月29日(火)
第299話「からっぽ」

彼女に「止めた」と偽り続けていた煙草に火を点ける。




もうコソコソする必要は無い。




もう彼女に何を言われようと関係の無いことだ。




彼女は多分、生きて来た中で一番好きになった女性だ。




その反面、生きて来た中で一番最低な女でもあった。




僕の人生の中で、あれほどまでの裏切りを受けたことは無いと思う。




でも僕はもしかしたら、こんな日が来ることを予感していたのかも知れない。




何故なら今回の出来事が、僕と彼女との関係の始まりとリンクする部分があるからだ。




「歴史は繰り返される。」




言い方は大袈裟かも知れない。




でも、僕はそんな気がする。




別れは虚しいものだ。




すぐ側に有ったものが、急に無くなってしまう。




僕自身を支えていたものは、僕に大いなる傷を残し、旅立って行った。




今の僕に何が残っているだろうか?




彼女から与えられた深い傷だろうか?




それとも、すでに思い出となってしまった過去だろうか?




煙草の様に押し潰された不様な僕の心だろうか?




…わかってるそんなものじゃない。




僕には何も残っていないのだから。




だから今は、悲しみも憎しみ湧いて来ない。




感情と言うものを何処かに置いて来てしまったのだろうか?




それとも、僕のわからない場所に眠り就いてしまったのだろうか?




多分、僕の心は今「からっぽ」になっている。




ただ深く広がる闇。




光も届かない闇の中で、僕の心は眠りに就いているのかも知れない。




いつ僕の心は目覚めるのだろうか?




もし、僕の心が目覚めるとしたら…それは…


































次に彼女が出来た時かな?(爆)