ぽあろの音楽旅日記
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2002年09月24日(火) 第85回 チャイコフスキー交響曲第4番(その3)

 またまたチャイコの4番です。いやあ、まさか生で聴けるとはこれっぽっちも思っていませんでした。9月23日、サントリーホール。フジコ・ヘミングのコンサートで、共演のモスクワ・フィルが休憩明けに用意していたのがチャイコの4番だったんです。僕にとっては初めての、生で聴く4番。休憩中もわくわくしてテンションあがりっぱなしでした。

☆ハイコ・マティアス・フォルスター指揮 モスクワ・フィル
 正直言って、この指揮者さんの名前も知りませんでしたが、いいですねえ。生演奏の迫力には代えがたいものがあるのは確かですが、それだけでなく、惹きつけるつくり方をしていらっしゃる。(なぜか敬語)タクトを持たないスタイルですね。オケは、全体的に弦がしっかりしている印象です。
 第1楽章、冒頭のホルン→トランペットにはやや物足りなさを感じましたが、これは僕の座ってた席が前過ぎるせいもあるのかも。それとも抑えたのかな。とにかく弦がしっかり、どっしりしていて重厚。楽章を通して安心して聞ける感じでした。テンポの幅が他のCD演奏に比べかなり広い印象がありました。バーンスタインよりもはっきりしている、というといいすぎかも知れませんが。終盤は管もしっかりなっていて大迫力でまとめてくれました。おかげでサントリーの客席からは拍手が。。。これはいかんなあ。
 拍手入っちゃうと、演奏者も冷めちゃうのが見ててわかりました。続いて2楽章、指揮が始まる前に、バイオリンのひとりが弓で弦をたたいてしまうアクシデント、さらには2楽章冒頭のオーボエ(これが美しかったのに・・・)が音をひとつ空振りしてしまうエラーと、はっきりいってぼろぼろでした。僕も素人に毛が生えた程度で、大きなことは言えませんが、「知らないなら拍手はするな」といいたいです。指揮者がこっち向くまでしなくたっていいんですから。
 さてその2楽章、その後何とか建て直しができたのはやはり、弦の充実のおかげでしょうか。続く3楽章はピチカートがいい揃い方してて聴き応えじゅうぶん、妻も母も驚いていました。でも一番驚いたのは僕だったりします。いや、素晴らしかった。
 4楽章は圧巻。パーカッションがぐんと押し出された格好で、迫力の演奏でした。1楽章の主題に戻ったところでのフェルマータが結構長く、拍手が起こってしまうのかとひやひやしましたが、客席は迫力に押されたように硬直している感じでした。息をするのも忘れてしまうほどの演奏を「突きつけられた」感覚は初めて味わいました。最後も勢いを衰えさせることなく駆け抜けていく感じで、終わったあとは割れんばかりの大拍手。今回のツアーではこの日で指揮者交代なのでフォルスターの満足げな笑顔が見られたのが印象的でした。


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