母,デート,落し物


 やっと母と連絡がつく。全く元気なし。
夏の買い物ブギで母が買うことになった毛皮だが、
「欲しくないならやめなよ。お店に悪いから、と言って仕方なく買うような値段のものではないでしょう」と私。
「今更そんなことできる?」と始めは言ってた母だが、「そうね」。

そして新座の家にある使わない電気ストーブを「送って」と頼んだら「面倒臭い」。
「いや、郵便局は取りに来てくれるし、箱だって持って来てくれるから。電話一本するだけだから、それぐらいできるでしょう?」
「いや、電話もできない。買えば?幾らでもないでしょう。お金出すから」
「そんなの勿体ない。じゃあ私が新座に行って、郵便局を呼ぶよ」
「買えばいいじゃない」
大丈夫かね、お母さん。

元気な時は慶應病院には顔が利くのよ!と吹聴していたのに、知人の相談をしても
「なんだか頼み難いわ」。
かなりヤバイ?

 デート。非常に真面目な気持ちになる。こういう感覚は久し振りだ。
元内縁夫以来かもしれない。
内縁夫と別れてから恋は何回かしたし、愛する男、好きな男は何人もいるけれど、元内縁夫以上に愛せる人は現れないかもしれないと思っていた。

今日、より詳しく思いを聞いて、彼は他の人と違うと思った。
私は多分、急速に元内縁夫より深く彼を愛するようになるだろう。
もっと人間的に成長して、彼を思い、愛される女になる。ような気がする。
なんだか不思議で、とても幸せ。

 すっかり舞い上がって、ポーっとなっていたのかもしれない。
現金数万円をどこかに落としてしまったと気づく。バカ!
2005年11月06日(日)

抱茎亭日乗 / エムサク

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