舞台『寒満月の、割れる程』,『獣サミット vol.1』,『庄や』


 池袋演劇祭審査員指定作品のD・Nプロデュース『寒満月の、割れる程』を大塚の『萬スタジオ』に見に行く。
14時からだが着いたのは15時半。死刑がテーマって、また暗そうな。
客席に入った途端かび臭い。最後列で、ラスト30分間に3回ケータイ画面を見る人あり。
文句を言いたいが、自分もラスト30分に入場しておいては、何も言えない。

内容は想像通りで30分でも十分過ぎるような気がする。
衣装とかパンフレットは意外にお金がかかってる感があった。
衣装はいいと思ったが、パンフレットの俳優たちは恐らく芝居の内容とは関係ない服を着て、ものすごく気持ち悪い凝ったメイクで、不思議だ。

これで3本の池袋演劇祭参加作品を見たが、どれも面白くなかった。
この後も何本か見る予定だが、何か得るものがあるのだろうかと不安になる。

 そして夜は期待のイベント、友達のバンド『ナインアンダー』初自主興行の『獣サミット vol.1』があって池袋『手刀(チョップ)』に行く。

遅刻して1つ目のバンド『ザ・クマーズ』は見逃し、『B地区』から。
3人の男性が、白いTシャツの両胸を汚く丸くカットしている、衣装とは言いがたい格好で、なんだか貧乏臭い。

下ネタばっかり、と聞いていたので大好きか、不快かどちらだろうと思っていた。
始めのチープな印象から、どんどん引き込まれてしまう。
私はエッチでくだらなくて、しかし愛と哀がある、みたいなのが好きなんだけど、まさにそれ。笑った。

包茎手術前日の思いを歌った『Mr.オペ』、いい歌だ。
『抱茎亭日乗』の著者として無関係な親近感を覚える。
腕毛の濃さを叫ぶ歌「ほんとにほんとにほんとにほんとにほんとにジャングルだー!」では、学生時代にその濃い脛毛に絡まって蚊が死んだ「みっちゃん」という友達を思い出す。元気かなあ。

3つ目のバンドの前にスーツ姿のジャブロ君が登場。仕事帰りか?あ、司会なの。
宇宙とサバンナとバンドの映像も面白かった。結婚式の2次会風でもあったが。

次は『me-ISM』。20歳のヴォーカル優子もすごいのだが、バンドも上手い。
優子ちゃんは近く『謳う、援交少女』という本を出すらしい。
「池袋の汚ギャルだった私が、20歳で自伝を出すなんて」と本人は言っていたが、この人は大物になりそうな予感。

「私なりの反戦歌です」と言って歌った『未来少年』とか、素晴らしい。
反小泉勢力はこういう若者たちと組まなきゃ駄目よ。

ナインアンダー登場前のMC、B地区 VS 優子でも、乳首談義で下ネタキングのB地区を圧倒しているし。ホント頼もしい女の子だ。

さて、トリはナインアンダー。常にハプニングのあるナインアンダー。
今日はギターの弦が切れる。他の人のギターを借りておきながら「かっこ悪いギター」とジャブロ君。
汗ではないジャブ汁まみれのギターと貸した人が可哀想で、笑った。

いやー、楽しいステージだった。お客さんもいっぱいで、良かったのでは。
私は抽選で『獣サミット』のCDももらったし、これで2,000円とは素敵過ぎる。

『手刀』にて打ち上げ。髪飾りの可愛かったベースの松本さんと、お姉さん、ジャブロ君の妹さん他いろんな人たちとお話。

松本さんのお姉さんと演劇について。彼女は演出家なのだった。
お!そう言えば!『天保十二年のシェイクスピア』を頼んでみる。
「取れると思うよ」。へ?本当に?!きゃー、お願いお願い!ほとんど抱きつかんばかりになる。

ジャブロ君の妹さんは、「奥田民生と会いたい。付き合いたい」と言っていた。
実現できると思っているところがいい。私もそうしよう。
「藤原竜也と美味しい蕎麦を食べに行きたい」
「永ちゃんの歌を酒を飲みながら隣の席で聞きたい」
まずはここから。

 『me-ISM』を皆で見送って、『庄や』に移動。

離れた席に座っていたカップルが合流する。
スリムで可愛い女の子は19歳。六本木のキャバ嬢だという。私が成宮寛貴似と言ったら皆が否定した彼氏はスカウトマン。
「でもぉ、私若い男と付き合ったことがなかったんです。16歳の時に36歳と付き合ったのが始めでぇ、高校生の時から月に5、60万稼いでいたし、お金がない人なんて考えられなかったんですよぉ。彼が好きなんですけど、結婚とか仕事とか、将来の事考えると…」
ふーん。バラエティ番組の素人告白・相談コーナーで聞くようなことって、本当にあるんだ。
全てやらせかと思っていた。

しかしリアリティを感じない。女の子がお人形さんのように可愛いからか?

「朝までいるなら追加でオーダーを」と言われて、私だけ帰る。
終電の関係ない池袋でライブをやってくれるところも素晴らしいナインアンダー、あー面白かった!
2005年09月18日(日)

抱茎亭日乗 / エムサク

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